月柱は師範に褒められたい

廿弐 ページ28

時「自分で脱ぐのが嫌なら、僕が脱がすけど」
『自分で脱ぐので師範向こう行っててください』

師範が風呂場に入ったのを見届けて、脱衣所で考え込む

どうしようかなぁ
この手拭い大きいし体に巻けばギリ隠れるかも
男はいいよね、隠すとこ一つしかなくて
ってか一緒に入る必要ある？ないよね。うん、無いよ。

▶逃げる
▷戦う
▷大人しく入る

よし、逃げよう


一応私も柱だし、足音立てずに逃げるなんて簡単簡単
静かに脱衣所の扉を開けようとすると、

『え？あ、開かん』

何故か開かない
多分鍵がかかってる
えぇ、ここ鍵かかるって初めて知ったんだけど
私結構前から、師範の館で住み込み稽古してた筈なのになぁ

時「逃げようったって無駄だよ。僕が鍵持ってるから」

風呂場から声が聞こえる
鍵持ったまま風呂入ってるんかい！
錆びるよ？

あーヤバい
どうしようかなぁ

戦うか、大人しく入るかの二択
ここは大人しく入った方が後々めんどくさくないかもしれない・・・・

だがしかし！私は全力で抗うのだ！！

ｶﾞﾗｯ

『いざ勝負！』
時「え、何」

ひー、靴下が濡れて気持ち悪い
あー羽織も濡れた

時「どうしたの？」
『しは、うぎゃ』

濡れた靴下で歩こうとしたからか、滑って師範の方に転んでしまう

時「やっぱり自分じゃ脱げない？」
『ち、ちがっ、』

師範が湯船から出て私を抱きしめる

わー筋肉ヤバッ
本当に十四歳？えぐくね

時「何見てんの？僕の見るんだったら、Aのも見せて」

ぷちぷち、と胸元から音が聞こえたと思ったら、師範が隊服のボタンを外していた

『ちょっ、』

ベルトを緩められ、シャツのボタンにも手がかかった

『し、師範』

小さくそう呼べば、師範はいつもとは全く違う、燃えるように熱い目で私の事を見ると、力強く抱きしめた


『うわ――――――――――――――！！！！！！！！』

恥ずかしくなって師範の手を振りほどき、扉を蹴破って逃げる




初めて見たあんな顔の師範
瞳から、暑く燃えるような情欲が見て取れた


ずっと忘れてた(？)けど
師範も


男性だった！！←

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