傷だらけ ページ9
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驚いて思わず一歩踏み出してしまった足。
そこで躊躇してまた立ち止まる。
壁に背中を預けたままズルズルと地面に尻もちをついて、空を仰ぎながらまだ荒い息遣いが続いている。
ただ事ではなさそうな雰囲気。
これって…大丈夫かな、ヤバイんじゃないかな。
具合悪いの？もしそうなら、救急車呼べるの私しかいないんじゃ…
悶々としてたって仕方ない。
怖いけどあそこを通らないとどの道家にも帰れない。
恐怖を振り切って意を決し、私は彼に向かって駆け出した。
バタバタと忙しなく響き渡る足音に、ゆっくりと彼は顔を上げる。
外灯はなくても周辺からの生活の明かりでさすがにわかるくらい。
血、出てる…頭や唇から…
見た瞬間、もう怖い。
でも既に存在を認識されてしまっている以上、ここからスルーするって個人的に厳しい。
再び私は腹を括る。
「あのっ…ど、どうかしましたか！？」
どもるわ震えるわ裏返るわ、散々だ。
それどころじゃない訳だけど。
座り込んだまま私を見上げるその人に目線を合わせる為に自分もしゃがんでよく見ると、顔だけじゃなくて体もあちこち怪我してて。
タクシー呼んで病院かなってバッグからスマホを取り出そうとしたら「待って」と制止された。
「…お…俺は、大丈夫だから…」
めちゃくちゃ苦しそうに告げられた、ただの嘘。
「だ、大丈夫ではないですよね？どうしたんですか、一体」
「ちょっと…走って来たのと…寝不足で…息切れしてるだけです…」
「え、怪我は？これ、腕とか切り傷っぽいけど…まさか誰かに？」
「………」
あ、黙った。やっぱそうなんだ。
「…警察行きますか？付き添いますけど」
「…いえ…大丈夫です」
「もしかして通り魔とかじゃなくて知り合いがやったの？」
「………お願いがあります」
「はい？」
やっぱり警察行きますか？それとも病院行きますか？見たところ手ぶらだしスマホ貸して欲しいとかですか？
一瞬で様々な予想が頭に浮かんだけど、彼から発せられた言葉はそれら全てを裏切るものだった。
「……今日…泊まらせてくれませんか…？」
「…………はい？」
思考、フリーズ。今なんて？
たった今会ったばかりなのに何言ってますかこの人は。
病院拒否っといて泊めてとか。頭ヤバイ人？
それは普通に無理、と言いかけたところで、彼の目がいよいよ虚ろになってきているのに気付く。
いやちょっと待って。
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桜(プロフ) - bananalove0705さん» すみません、まだ空っぽなので一話でもアップできたらすぐにパス外しますね！少々お待ちください^ ^ (2020年4月10日 18時) (
レス) id: 5aafe05b98 (このIDを非表示/違反報告)
bananalove0705(プロフ) - 番外編のパスワード教えていただきたいです！ (2020年4月9日 23時) (レス) id: bc0232df0e (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - こゆきさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けてとても嬉しいです！頑張ってお話進めますね！ (2020年2月19日 17時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - この話面白くて大好きです！ 更新がんばってください！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf5519a127 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - めぐさん» コメントありがとうございます！繊細なんて嬉しい！なかなかスムーズに進みませんが、楽しんで頂けるよう頑張ります！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2020年2月15日 2時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nyar
| 作成日時：2019年11月30日 1時
