3話 ページ5
トレーナーside
私はトレーナー室で書類をまとめながら、ずっと彼女の事について考えていた。
これまで私のスカウト事情に興味がないようだったのに、
なぜ突然、自分をスカウトしないか、と言ったのか。
なぜ、このタイミングなのか。
考えれば考えるほど思考がまとまらなくなっていく。
いつもの倍以上の時間をかけ、仕事が終わった。
のろのろと荷物をまとめ、トレセン学園の校門を出る頃には時計の短針は8を指していた。
トレーナー寮に戻り、夕飯と風呂を済ませてベッドに飛び込んだ。
今も頭の中ではサンビスタの事がぐるぐると巡っている。
どうしよう…あれは冗談で言ったのか?だとしても、模擬レースは見に行ったほうがいいよね…
というか、なんで私…?哀れに思ったの…?
考えても考えても、自分がどうすればいいのか、彼女がどういう意図で言ったのか、
考えれば分かると思ったが、分からなかった。
そうだ。昔のことに今回の発言のきっかけがあるかもしれない。
何かあったら初心に戻れ(?)、とも言うし!
ふとそう思った私は、今考えている事を一回放棄して、サンビスタと出会った時のことを思い出すことにした。
俗に言う、回想というやつである。
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作者名:はむすたぁ | 作成日時:2024年3月16日 8時