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ryuto side
優斗さんに呼ばれた俺は普通に男が
いるものだと思って来たら
まさかのAさん。
しかも酔い潰れてるのにまだ飲むって
言いだす始末。はあ、しょうがない。
作間『少しだけですよ?』
A「うん!ありがと!作ちゃん」
作ちゃん!?!?
心臓に悪い。けど嬉しい。
しかも俺の事綺麗な顔だなんて言い出した…
それにしてもAさん酔いすぎ。
あの日以来抑えてた気持ちに
ブレーキが効かなくなってしまう。
作間『何かあったんですか?』
A「そろそろ帰ろうか〜!」
触れられたくない話題か。
でもAさんかなり酔ってるし、
もう家帰らせないと優斗さんに怒られてしまう。
店を出てタクシーが拾える大通りまで
歩いている途中で見覚えのある顔が。
俺はとっさにAさんに目隠しをした。
作間『見ちゃダメです。』
そう言っても無理矢理手をほどくAさん。
彼女の目には隣の部署の橋本涼と
俺と同期の宮下ほのかが映っていた。
2人は腕を組んでホテルに入っていく。
A「うそ、うそだよ。だって
涼信じていいって…ハァ、ハァハァハァハァ
あ、れ?ハァ苦し、いハァ、ハァ」
Aさんの呼吸がみるみる早くなっていく。
過呼吸を起こしてしまっている。
作間『Aさん。大丈夫だから
ゆっくり呼吸しましょう。』
そう言って背中をさするものの
Aさんの呼吸は乱れたまま。
泣きながらオレに縋ってくるAさんを見て
胸が締め付けられた。
A「りょお、ハァ、ハァハァ、
なんで、な、のハァハァ」
作間『Aさん。ゆっくり
息を吐いてください。』
苦しそうなAさんを見て
思わず抱きしめてしまった。
そのまま背中をさすって声をかけ続けると
ようやく彼女は落ち着きを取り戻した。
作間『Aさん?』
A「ごめ、手が痺れちゃってて…」
作間『ちょっとそこに座って休みましょう?』
弱々しいAさん。
それほどまでに橋本涼の存在というのが
大きいのだろう。そのことを今日
知らしめられた気がした。
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作者名:にゃんぽよ | 作成日時:2018年11月23日 21時