強く… side兄 ページ37
「グァ…ッカハァ」
あれから何時間経っただろうか…
辺りは真っ暗で少し離れたところにある炎を灯す街頭がほんのりと俺たちに視界を与えてくれていた
「もう…動けねぇ…」
バタッとその場に崩れ落ちる俺の身体にはいくつもの傷や銃弾のあとが残っている。血も結構出てるし息もしづらい
「ッ…これだけ戦えればこの辺の海ではそれなりにやれるだろう…よく死ななかったな…」
店主が片膝を地面につけこちらを見ている
どうやら及第点は貰えたようだ
「まずは手当てしないとだな…少し待ってろ」
そう言っておっちゃんは店に戻った
「フォッフォッフォ。頑張ったのぅ。」
じいちゃんが俺を見下ろしている
「まだまだ不安要素はあるが、乗るのがあの船ならなんとかなるじゃろ…」
じいちゃんが遠くを見ながら呟く
あの船…妹は今どこにいるのだろう…怖い思いはしていないだろうか…
「じいちゃん…俺…やれるかな…」
急に不安になる
現役を退いた海賊相手にここまでボロボロにされて、あと1日もすれば妹が仲間たちとこの島にやってきてしまうのに…こんなに弱くて、あいつを守れるのだろうか…
「彼女は大丈夫じゃ。何せあの子の食べた悪魔の実は…」
「え？！」
アカネが悪魔の実を？
それにその実が……
「まぁ、お主に頼みたいのはどちらかと言うと心のケアじゃから…いつもやっていたことじゃろ？」
パチンとウインクをしてくるじいちゃん
「神様もウインクとかすんだな…」
動けない身体を放り出したまま冗談ぽく返事をする
「本物の孫みてぇなやり取りしやがって…」
そこへ大量の包帯やらなんやらを持っておっちゃんが帰ってきた
「そういえばじいちゃんって何者なの？」
神様って言った時のおっちゃんの反応的に何か別の姿でもあるのかと尋ねてみるが
「わしはお主のじいちゃんでいたいんじゃよ」
と、はぐらかされてしまった
「それならいいけどさ〜ッて！！痛ぇ！もっと優しくしてくれよ！」
おっちゃんはめちゃくちゃ不器用で傷にプスプスとピンセットを突っ込んで来る
「我慢しろ！」
俺は少し離れ強くなれたのかな…
アカネが安心して生きていけるように俺が…
「変な虫とかついてなきゃいいが…」
こうして俺の青海での1日が終わった
「眠ったか…」
「なぁ…こいつは何者なんだ？」
「お主は知らなくて良いことじゃよ…ラカム…」
「やめろ…その名は捨てたんだ…今はただのジャックさ…」
「人には知られたくないこともあるという事じゃろうて…」
続く
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黒バイ - ゾロかっこいい。作者様は天才ですね！これからも楽しみにしています。自分のペースでいいのでこれからも頑張ってください。応援しています。 (2017年4月19日 15時) (
レス) id: d571ecbf9e (このIDを非表示/違反報告)
赤い桜模様の猫 - 凄くキュンキュンしました♪続きお願いします！ (2016年5月21日 7時) (レス) id: 6c9b20ae92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ころべぇ | 作成日時：2015年12月3日 23時
