＊story88 ページ39
昌「もう大丈夫だよ」
優しい昌豊さんの声に、私は隠れるのをやめる。
貴「はぁ…びっくりした…」
大きくため息をつく。
貴「ごめん」
昌「謝ることないよ」
そうは言ってくれるが、気分が沈む。
貴「昌豊さんに随分と懐いてたけど…」
昌「時間がある時は遊んだりしているよ。あの子達は、身寄りのない子達なんだ」
貴「えっ」
昌豊さんを見ると、困ったように笑う。
昌「実は僕も、幼い頃は同じ境遇で…。そんな時、信玄様が軍に迎え入れてくださったんだ。だから僕も信玄様のように…とまではいかないけど、真似事をしているんだ」
貴「そう…なんだ」
私は、子供たちが去った方向を見る。
昌「あ、ごめんね！いきなりこんな…」
貴「ううん。親に会えなくて寂しいのは、すごくわかるから」
胸をギュッと掴む。
貴「…私も、詩音も、病院の子達も…。みんな、心細い思いはたくさんしたし」
昌「……」
貴「…行こ」
そう言って、私は歩き出す。
このままじゃ、ダメなんだ。
もっと強くならないと。
…だけど、どうやって強くなればいいんだろう。
全てのお店を回った頃には、すでに日が暮れていた。
昌「本当に助かったよ。ありがとう」
貴「気にしないで。私もお目当てのものはゲットできたし。お腹すいたから、早く帰ろ」
そう言って帰ろうとした時。
女の子「えーん…！ぐすっ…」
女の子の泣く声が聞こえた。
昌「迷子かもしれない…。君は先に帰っていてくれる？」
貴「あ、うん…」
そう頷き、女の子の方に駆けていく昌豊さんを見る。
貴「……」
けど、このままでいいの？
強くならないとって、さっき思ったばかりなのに？
貴「思うだけじゃ、ダメなんだ」
そう呟いて、昌豊さんを追いかけた。
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ふく - おかかさんのこのお話、大好きです。続きを本当に楽しみにしています。 (2020年3月5日 21時) (
レス) id: 61180c9817 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - 小説消されると書くのが嫌になりますよねでも頑張ってください待っています (2018年10月30日 12時) (レス) id: 53aaf76c78 (このIDを非表示/違反報告)
サケ - 続き消されましたか？それでも頑張って下さい (2018年8月20日 0時) (レス) id: ced462d407 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - あの続編消されてしまったんですか？ (2018年8月14日 9時) (レス) id: 40a916232a (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪ただ今スランプのため…もう少々お待ちいただけると幸いです…！これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2018年2月28日 15時) (レス) id: 4fe1a36d40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかか | 作成日時：2017年11月14日 15時
