＊story79 ページ30
昌「そっか…。そんなことが…」
昌豊さんに全部を打ち明ける。
貴「だけど私は間違ってない！！今回したことに、私は後悔なんてしてない！！」
昌「うん。わかってるよ」
昌豊さんは私を優しく撫でてくれる。
貴「…昔も、こういうことあった」
昌「そうなの？」
貴「病院で子供達が…、先生の取り合いをしてて…」
『先生は僕のだよ！！』
『ちーがーうー！！私のー！！』
貴「その時の私はなんとも思ってなかったんだけど、詩音…私の親友がね」
『先生は物じゃないんだよ。そういう言い方はやめて』
貴「…って、珍しく怒った口調で言ってた」
昌「…君の親友は、とても優しいんだね」
貴「たまに意地悪だった」
昌「あはは…」
貴「…最初は、詩音の心臓を移植したことを後悔してたんだ」
昌「どうして？」
貴「それこそ詩音の心臓を物として見ているような気がしたんだ。ダメになったから交換したっていう風に感じて…」
ギュッと胸を掴む。
貴「そんな簡単なことじゃないのに…。人は道具じゃない、物じゃない、無くしたらもう何も無い」
昌「うん…」
貴「意思だってある。誰かの操り人形でもないんだ。…なんでこんな当たり前なこともわからないんだろう」
昌「きっとそれは、当たり前のことが当たり前だと思っているから…じゃないかな」
昌豊さんの言葉に、私は首を傾げた。
昌「君は病気のことで周りとは違う生活を送っていたからそういうことを学べたわけで、彼女たちはそういうのが無かったんだよ。あっ、お互いのことを悪く言っているわけじゃないよ！？」
貴「わかってる」
昌「そういうことを学ぶ機会って、普通の生活にはないからさ。…それを君が教えてあげたらどうかな？」
貴「……」
あの人達の当たり前は、私にとって当たり前ではない。
だけど私の当たり前は、あの人達の当たり前ではない。
貴「…あんな人たちに教える価値なんてない」
昌「ほらほら、そういうこと言わないの」
貴「フンッ！」
プイッとそっぽを向く。
貴「…昌信さん、大丈夫かな…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふく - おかかさんのこのお話、大好きです。続きを本当に楽しみにしています。 (2020年3月5日 21時) (
レス) id: 61180c9817 (このIDを非表示/違反報告)
雪桜 - 小説消されると書くのが嫌になりますよねでも頑張ってください待っています (2018年10月30日 12時) (レス) id: 53aaf76c78 (このIDを非表示/違反報告)
サケ - 続き消されましたか？それでも頑張って下さい (2018年8月20日 0時) (レス) id: ced462d407 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - あの続編消されてしまったんですか？ (2018年8月14日 9時) (レス) id: 40a916232a (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪ただ今スランプのため…もう少々お待ちいただけると幸いです…！これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2018年2月28日 15時) (レス) id: 4fe1a36d40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おかか | 作成日時：2017年11月14日 15時
