＊story40 三月side ページ41
三「一織、ちょっといいか？」
一「兄さん？別に良いですけど…」
三「…Aの昔のこと、聞きたいんだけど…」
一「Aの？」
三「ちょっと、気になってさ！」
さっきのことは伏せて、一織にAのことを聞く。
一織は頭にハテナを浮かべていたが話してくれた。
一「…Aは、今はあんな面倒くさがりでいつも怠そうにしてますけど…。昔はそうではなかったらしいんです」
三「えぇっ！？」
一「むしろ、人を笑わせたり体を動かすことが大好きな子供だったらしいですよ」
三「ぜ、全然想像できねぇ…」
一「私もです」
まさかの真実だな…。
一「けど、彼女は家庭に問題を抱えていて…。母親がろくでもない人で、毎日毎日暴言を吐かれたりしていたそうです。男遊びやギャンブル、借金を作っては父親にその借金を押し付けていたと言ってました」
三「ひでぇ…」
一「だけど、何とか両親に笑顔になって欲しくていろんなことをしたそうですよ。勉強を頑張って満点を取ったり、教師の手伝いを何でもしたり」
べ、勉強嫌いじゃなかったのか…？しかも手伝いを自分から…？
人のために、自分の嫌いなことまで進んでやってたのか…。
一「薄々、教師や他の人もAが無理をしていることに気づいていた。一人で悩まないで、周りを頼れと言われても、彼女は頑なに首を縦に振らなかった。頑張っていれば、きっと両親が笑顔になってくれると信じていたから」
三「……」
一「…ある日、いつものように何とか両親に笑顔になって欲しくて、その日は教師に褒められたこととかを話していたそうです。けど、母親に自慢話ばかりしてきて腹が立つと言われた」
三「えっ…」
一「……。その日から、何を頑張ったら良いのかわからなくなって、一人で悩み続け、出した結論が」
三「……」
一「何もしない、という結論。その時からAは考えるのを止め、ずっと家に引きこもって何もしなくなり、今の面倒くさがりな人格が生まれてしまった」
三「……」
一「その時、彼女はまだ小学2年生だったそうですよ」
三「小学生…。そりゃあ…人格変わるよな…」
貴「オマケに言うと、母親はどこかでのうのうと生きてやがりまーす」
後ろから突然Aが入ってくる。
一「び、びっくりした…」
三「……」
貴「今の家族に拾われてなきゃ、今頃どうなってたか…」
三「えっ？」
貴「おにぃとあたしは、血の繋がった兄弟じゃないよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おかか(プロフ) - ベルゼさん» ありがとうございます！！ご指摘も感謝です！直します！ (2016年8月30日 20時) (
レス) id: 4fe1a36d40 (このIDを非表示/違反報告)
ベルゼ - すごく面白かったです！(^ ^) 続き楽しみにしてます！(^ ^)♪ …失礼かもしれませんが、そーちゃんの名前ですが 壮吾ではなく 壮五ですよ (2016年8月30日 17時) (レス) id: 3299528793 (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - Reinaさん» コメントありがとうございます♪お、リクエストですか？どこかの話で取り入れますよ！！大和さんですね！！ (2016年8月29日 21時) (レス) id: 4fe1a36d40 (このIDを非表示/違反報告)
Reina(プロフ) - 面白かったです！お気に入りさせていただきました。夢主ちゃんと大和さんがいちゃいちゃしてくれないかなーと密かに願望があります。(言ってる時点で密かではない) (2016年8月29日 21時) (レス) id: 2f9aa5987c (このIDを非表示/違反報告)
おかか(プロフ) - フランさん» コメントありがとうございます♪本当ですかっ！？嬉しいです！！これからも応援よろしくお願いします♪ (2016年8月29日 12時) (レス) id: 4fe1a36d40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おかか | 作成日時：2016年8月25日 21時
