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「とにかく無理よ、仕事があるもん。ダブルワークなんか無理。」
て「りょうはやってる！」
「あの超人ハイスペ男と一緒にしないで」
て「虫さんだってやってたし！」
「呼び出されてクビなっとるやん」
ああいえばこういう。
子供みたいなあの手この手を私はお決まりのセリフで突き返す。
やだやだとごねるてつやを尻目に、ポンと通知が来た自分の携帯に目をやる。そこには『りょう』と言う男からのLINEが来たことを知らせていた。
ロックを開けてメッセージを見ようとする。しかしその間も無く、携帯は着信を知らせる画面に切り替わり、そこには別の名前が現れていた。
知らない名前じゃない。私はためらうことなく通話ボタンを押す。
「もしもし。虫さん？」
虫『うん。てつやいる？』
「いるよ。もうダメ。いつもの病気始まっちゃってる」
て「病気じゃねえ！本気だってぇ！」
電話口からそのてつやの声が聞こえたみたいで、向こう側から虫眼鏡、もとい虫さんとりょうの『だめだね』という声が聞こえた。
虫『もうすぐ店つくから、もうちょい面倒見ててもらっていい？』
「うん。いいよ大丈夫。明日休みだし」
ごめんね、と一言を残して電話は切れた。
てつやの頭をわしゃわしゃして、声をかけるもてつやはふて寝しようとしている。
「こーら。まだ寝ないの！」
て「だってだってAが俺の話聞いてくれんもん･･･」
「聞いとるって。でも、てつやだって、わかるでしょ」
て「わからーん！！」
「･･･はぁ。」
だめだこりゃ。
ひっそりと隠す必要もなく、私は盛大にため息をついた。
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作者名：餡子 | 作成日時：2019年4月21日 2時
