意識 ページ27
『ちょっと待ってコレ運ばなきゃ、
よいっしょ、、』
美術係はキヨくんのいう通り、案外画材などが重く準備室に運ばなければいけない今日みたいな日は地獄だ。
キヨ「ん、」
『あぇ、?ありがと、、』
私が大きな画材を持つと横からサッと持ってくれるキヨくんとこりゃ〜女子も惚れるわけだ、と謎に納得する私。
キヨ「重てぇー、、よいしょっコラショ」
『ありがと〜、よし帰ろっか』
キヨ「腕、、見せて」
『え?』
画材を置くなり早々そう言うキヨくんは私の腕を掴んだ。
キヨ「うわー当分残るぞこの青あざ」
『ちょ、、』
キヨ「えなに、」
『な、なんでもない!』
私はすぐさまキヨくんの手を振り解く。
キヨくんに触れられていた部分がジワジワと暖かく感じるのと共に顔の方まで赤みが出ているのが自分でも分かった。
キヨ「んだよ、笑」
そんなキヨくんは特に顔色変えず美術室を後にする。
あーいう事サラッとしてサッと居なくなるキヨくん。
ありゃあーモテるな〜、と本日2度目の納得。
しの「あ、A〜!帰るよ〜!」
『はーい、ってあれキヨくんたちは?』
しの「え?A、美術終わってキヨくんと帰ってきたんじゃないの?」
『うん、さっきまで居たんだけど先教室戻ってるかと思ってた。
あ、私ちょっと絵の具付いちゃったから手洗ってくるね』
先程運んだ画材に付いていた絵の具が私の手にべったりと付いてしまっている。
制服に付けないようにトイレに向かった。
ジャー___________________
『よし、、、』
"キヨ、お願い。本当に最後にするから_____"
キヨ、、?
廊下に出ようと思った時、そう聞こえたどこか聞き覚えのある女の子の声。
キヨ「はぁ、だから俺は、、」
女の子「好きな人がいるんでしょ?」
え、、、
聞いてはいけないような気がするものの今廊下に出れば確実に存在がバレてしまう。
無意識のうちに聞いてはいけないと思った私はすぐに耳を塞ぎ目を閉じた。
いや、あるいは聞きたくなかったのかもしれない。
もしかしたら無意識にそう意識していたのかもしれない。
耳を塞いだままどれ程経っただろうか。
そっと目を開け恐る恐る廊下を覗くと、そこにはもうキヨくんたちの姿は無く私は重い足取りで教室へ戻った。
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かむ - にゃんこさん!投稿お疲れさまです!お返事ありがとうございます!!新しいのがいつ出るのかとワクワクしていました...!私もにゃんこさんの作品を読んでると胸がキュッってします!wいつも応援してます!! (2021年8月26日 0時) (レス) id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - かむさん» お返事遅れてしまいました、、わー!かむさんー!凄く嬉しいお言葉ありがとうございます見た瞬間胸がキュッとなりました、今日からまたゆるゆると更新する予定です!是非今後もご自愛ください! (2021年8月25日 3時) (レス) id: 44d94b632e (このIDを非表示/違反報告)
かむ - コメント失礼します!にゃんこさんの作品、全部見させていただきました!もう最高です!!これからも頑張って下さい!応援してます!!! (2021年8月19日 1時) (レス) id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんこ | 作成日時:2021年8月4日 4時