通り雨の向こう【ky】

着信 ページ16

キヨ「アイツらだろ、、



あの女子達にやられた、？」


気の所為か少し弱々しい声でそう言うキヨくん。


『___でも、私が悪いんだよ、今まで友達なんか出来なかったから、、、

調子乗ってこんな私が人気者のキヨくんなんかと話してたから、、、



浮かれてたんだよ私。バチが当たったのかな、笑



もう私、キヨくんとは離れたほうがい、、、』


拳を握りながらそう言いかけると、キヨくんがソファーから勢いよく立ち上がった。


キヨ「悪りぃ、俺帰るわ」


『え、キヨくん、？』


急にそう言い残したキヨくんは、私の横を無言で通り過ぎ玄関へ向かい、こちらを見ることも無く家を出て行った。


急な出来事に頭が追いつかない私はその場で立ちすくんだ。


そんな時にふと先程キヨくんに抱き締められていた時の香りを思い出し


私はまた独りになってしまったんだと実感し、




悲しくなり泣いた。





あれからどれくらい経っただろう。廊下に座り込んだまま


スマホの通知と着信音だけが永遠に鳴り響く。


渋々スマホを手に取り確認すると、しのからの着信とLINE。それに見知らぬ電話番号。


しのA!?
しのごめん、私何も出来なくて
しのキヨくん、来てくれたかな
しの写真、出来るところまではテープで直せるかも、
しの不在着信 12件
しのA、ごめんね
しのフジくんがどうしてもAちゃんの連絡先知りたいっていうから教えちゃった

Aしのごめんね!私は大丈夫だよ、しのが謝ることじゃない
Aけど風邪ひいちゃってるかもだから明日は休むね
しのA!、看病しに行くよ
A移しちゃったら悪いから大丈夫!ありがとう


09012345678着信

しのからのLINEに返事をすると掛かってきた見知らぬ電話番号。



『はい、、』

「もしもし！？Aちゃん？」

『フジ、くん？』

フジ「はぁ、良かった。しのちゃんも全然連絡取れないって言うし、

キヨは？」

『フジくんにも迷惑かけちゃってすみません。キヨくん来てくれました。

けど、、』

フジ「あいつ、帰ったんでしょ？

俺にLINEしてきてた。」

『私が何か気に触る様な事言っちゃったかもしれない、、』



フジ「Aちゃん、





キヨ、今回が初めてじゃないんだ_______」

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