-8- ページ8
.
ピンポーン、
土曜日。
サラリーマンってことは私より歳上だよね……
いつもお店は専用の制服があるから服を考える必要はないんだけどさ、
私服ってなると考えなければいけない。
てっきり近くのカフェにでも行くかと思っていたら
近いからって松村さんの家にお呼ばれしてしまった。
なんで初対面なのにこんな構ってくるんだろう、
そして私もなんでこんなホイホイついて行ってるのだろう、
やっぱ松村さんには不思議な引力がある気がする。
結局、白のレースのトップスにミントグリーンのカーディガンを羽織ってネイビーのガウチョパンツに足を通す。
「はーい」
『こんにちわ〜 Aです』
ガチャ、と開いた扉から出てきた松村さんはブラウンの緩いトップスと黒のスキニーパンツでスーツ姿とのギャップで数秒固まってしまった。
「Aさん…?」
『あっ、すみません』
靴を揃えて部屋に上がると間取りは私と違うよう。
ブラウンと白で統一された家具でまとまったオシャレな部屋だ。
適当に座ってください、と言われ大人しくソファに腰掛ける。
程なくして淹れて頂いたコーヒーを一口含んだ。
『あの、すごい率直に聞くんですけど…』
『なんでこんなご親切にしてくださるんですか?』
私が言うのもなんですけど、初対面じゃないですか。
あんまり知らない人をホイホイ家に上げると危ないと思いますよ…
実際、危ない目に合ってきたし。私が。
真剣に告げると松村さんは前に見たあの笑顔で はははっ と笑った。
.
206人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:娘娘 | 作成日時:2020年6月6日 15時