-10- ページ10
．
『松村さんておいくつなんですか？』
「23だよ。Aさんは？｣
20です、と伝えるともっと上かと思った と可愛らしい驚いた顔を見せた。
「仕事は？」
『専門学校に通ってて。それとバイトでコンカフェで働いてます。』
あ、バイトは言わない方が良かったかも。
でも、もう察してる感じだったし大丈夫か…？
1人反省会を開いていると再びわしゃわしゃと頭を撫でられる。
今度はその長い髪を辿って頬まで撫でられた。
よく知りもしない男の人にこんなに触られるの、
いつもならすごい嫌なはずなのに。
今は、心地いいって思ってる自分がいる。
松村さんは「よく頑張ってるな〜〜」と言いながら未だ頬を撫で続ける。
『もう！なんですか！』
「あはは！なんかAさんって猫みたい」
さっきまで人見知りなのかなとか思ってたけど
もしかして松村さんってこうやって女の子を家に連れ込むのが得意な結構なやり手…？
「今、失礼なこと考えたでしょ？」
『んぇ、いや？別に？』
「ふはっ 言っとくけど、Aさんが思ってるような人じゃないよ俺。｣
え？と聞き返すとソファに座り直す。
「俺、人見知りでさ。友達も全然いなくて… 急な異動で都内の中で引っ越したんだけどやっぱ不安で。
そんな俺よりももっと不安そうな人がいたからついお節介やいちゃって…」
今更だけど ウザかったら言って、だなんて。
ウザい訳がない。むしろ、むしろ……
むしろ、なに？
分かんない。本当に。こんな感情初めてだ。
知ってほしくて、知られたくなくて、
知りたくて、知りたくなくて、
それでもひとつ言えることは、
直感的に
もっと、そばにいたい
って感じてるということ。
「ねぇ、Aちゃんて呼んでいい？」
『はい！どーぞ。』
「Aちゃんも北斗って呼んでよ」
『んー、じゃあ北斗さんで。』
「ダメ、せめて "北斗くん"」
『…じゃあ、北斗くん。』
「ん、」そう言ってまたするりと頬を撫でた。
北斗くんには私が猫ちゃんに見えているのかな？
ってくらい、優しい瞳で覗いてくる。
そんな優しい目、好きな女にしかしちゃダメだよ。
そう心の中で叱っていると「ねぇ」と声をかけられる。
『なんですか？』
「俺たちさ…友達、ってことでいいの？」
『ふふっ もちろんですよ。』
「じゃあ、敬語やめて」
有無を言わさずに「ね？」と頭を撫でた。
そんなの、頷くしかないじゃん。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：娘娘 | 作成日時：2020年6月6日 15時
