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「引かないでね」
「…内容による」
「ふは、まあ聞いてて。俺の中では結構な成長のつもりだから」
大事な話が始まる気がした。
マグカップを離して、ミンギュの手を握りなおす。
ミンギュは笑って、Aのそういう優しいところが好きだったんだよ、いやいまも好きだけどさと視線を下ろす。
「…デビュー決まる前、っていうかわりと最近まで。Aに対して、変に独占欲があって。Aが優しいのも、可愛いのも、辛いことも、全部俺がいちばん知ってたいなって、…思ってた、わけで」
「…うん、」
「ドギョムにはちょっと優しくて甘いのも、ミョンホと少し二人だけの雰囲気があるなって感じ取ることも、辛くて、…いいなって。俺だけにしかそういうとこ見せなくていいのにって」
素直に、うれしいな、と思う。
ミンギュほど、私のことで一喜一憂してストレートに好きだって言ってくれる人は居ない。友情としても、家族としても、…男性としてもきっとそうだと、なんてこの人に酷いことをしているんだって何度悩んだか分からなかった。
距離を置くなんてもっと、できなかった。
これからは人の目や、カメラがあるんだからあまりくっつかないで、って言ったときのミンギュの顔が本当に悲しそうで…、傷つけたくないって言えば綺麗事かもしれないけど。
「でも最近、人のために何かをするAを見ることが増えたでしょ。合宿所で練習生を見てるAと、Aの優しさに触れてる人たちを見て、思ったんだ」
下げていた視線を、私に合わせたミンギュの瞳が、潤んで。
「Aが俺にだけ、そういうところを見せるようになってくれたとして。それでAが幸せなのかどうか、考えるようになった」
「…私が？」
「俺たちだって鈍感じゃないから、Aがどんなことで特別に思ってくれてるのも、それぞれわかってると思う。Aは、いろんな特別を俺たちにくれる、それって、すごいことだと思うから」
「……、」
ミンギュは、綺麗に涙を流した。ひとすじだけ、瞬きによって溢れた涙が頬を伝う。
わたしのことで、ミンギュは泣いてくれるんだ。
この人は、私のために。私のことを想って、考えてくれて、涙を流してくれる。
「ずっと、Aのこと独り占めしたいって思ってた。Aといてこんなに幸せなんだから、俺がその気持ちを独り占めするのもったいないなって、なんかそう、ふと思うようになった」
「…ミンギュ、」
「強がりじゃないよ。けっこう、本気」
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KEY(プロフ) - いつもありがとうございます🙇いつも最高です！ (2022年10月14日 22時) (
レス) @page43 id: e6e7d876c8 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごくキュンキュンします、何回も読み返してます😭 (2022年9月27日 10時) (レス) @page41 id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
名無し54892号(プロフ) - 作者様のお話本当に大好きなんです…！とってもキュンキュンして読んでるだけでも胸が苦しくなってくるような、本当に素敵な作品だと思います🥲何回も読み返して更新されてるかな？と見に来てしまっています笑決して無理はなさらず続きが読めるのを心待ちにしてます！ (2022年9月4日 15時) (レス) id: 1445cdbb12 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！！これからも無理のない範囲で良いので更新して頂けると嬉しいです私の生活の一部なんです🥲💞これからも頑張ってください！！ (2022年8月20日 19時) (レス) @page38 id: 0a0a63f7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - 作者様の作品とても大好きで何回も読み返させていただいています！ これからも無理のないように更新していただけると幸いです！これからも頑張ってください！ (2022年8月20日 16時) (レス) id: cc4c34b3df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2021年8月21日 4時
