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懐かしいな。
練習生のとき、Aと初めて話したのは、彼女が膝を抱えてひとり練習室に蹲っているのを僕が見つけたからだったよね。
"どうしたの？何かあったの？"
そう言って頭を撫でた僕のことを、涙でいっぱいに濡らした顔で見上げたんだ。ああ、この小さくて崩れそうなこの子を、どんな悲しみが包んでいるんだろうと。
先生に促されて、自己紹介をしていた彼女はキリッとしていたのに。
「…A、どうしたの？なにかあった？」
「……ジュニオッパ、」
「へへ、懐かしいね。覚えてる？僕がこう話しかけたの」
あのときと同じように。
合宿所に迎えに行って見つけたAは、膝を抱えて座っていた。違うのは、泣いてないことくらいかな。
さっき、ヨンジュニヒョンに会った。今日いろいろあってきっと落ち込んでると思うから、とだけ話してくれた。だから僕はAを見つけようと、必死に探したけど。
「…うん、覚えてる。そのときも、私こうやって座ってたんですよね」
「じゃあ今日も、同じことしちゃおうかな」
覚えたての韓国語。あの時のAはまだ状況やらなにやらをうまく説明できなくて、その事実ともどかしさに眉毛を下げてまた涙を浮かべたんだ。
だから僕は、話すよりも先に、包み込むように抱きしめて。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
今日のAはどうして、元気に僕に迎えに来てくれてありがとうって、言える状態じゃなかったのか。
そんなこと聞かなくてもわかる。頑張りすぎちゃって、きっと上手くいかなくて。
あの日もそうだと思ったから。
この子は、きっと全力で頑張って努力して、それでも苦しくて悔しくて辛くなっちゃったんだなあって、そんな気がしたから。
「Aはだいじょうぶ。僕もいるよ、みんなも居るよ。だからだいじょうぶ。みんなAのこと愛してる、だいじょうぶだよ」
「…っ…、オッパ、あの、」
「ん？なに？」
「もうちょっとだけ、こうしててもいい？」
「うん。じゃあ、僕と、ずーっとぎゅーしようねー？」
泣いちゃってもいいよ。
僕しか見てない。僕だけが今日のこのAを知ってるから、恥ずかしいことは何にもないし。
逃げてもいいんだよ。
誰もAのことを責めたりしない。僕だけはずーっと味方になってあげるから。
「今日はちょっと遠回りして帰ろうかな〜？」
「うん…」
「やった〜Aを独り占めだあ〜！」
しばらくずっとそうして、Aの涙を拭っていた。
あの日も、今日も。
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KEY(プロフ) - いつもありがとうございます🙇いつも最高です！ (2022年10月14日 22時) (
レス) @page43 id: e6e7d876c8 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごくキュンキュンします、何回も読み返してます😭 (2022年9月27日 10時) (レス) @page41 id: cb9ba72967 (このIDを非表示/違反報告)
名無し54892号(プロフ) - 作者様のお話本当に大好きなんです…！とってもキュンキュンして読んでるだけでも胸が苦しくなってくるような、本当に素敵な作品だと思います🥲何回も読み返して更新されてるかな？と見に来てしまっています笑決して無理はなさらず続きが読めるのを心待ちにしてます！ (2022年9月4日 15時) (レス) id: 1445cdbb12 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！！これからも無理のない範囲で良いので更新して頂けると嬉しいです私の生活の一部なんです🥲💞これからも頑張ってください！！ (2022年8月20日 19時) (レス) @page38 id: 0a0a63f7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - 作者様の作品とても大好きで何回も読み返させていただいています！ これからも無理のないように更新していただけると幸いです！これからも頑張ってください！ (2022年8月20日 16時) (レス) id: cc4c34b3df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2021年8月21日 4時
