ハンソルはヒーロー ページ14
「わたしも、学校、行かないの」
「…Aヌナも？」
「うん、だから一緒に勉強しよう？」
Aヌナのことは、俺が一番知っている自信がある。
メンバーが少しずつ減っていったとき、
ヌナのことは非公開にするからカメラに写るなと事務所に言われていたとき、
デビューが決まったとき、
デビューするから、皆と距離を置かなきゃならないと決めたとき。
ヌナは俺のことを抱きしめて声を押し殺しながら泣いていた。
俺だけが知っている、弱いヌナだった。
「ハンソラ、ごめんね。弱いヌナでごめん…」
「そんなことないよ。ヌナはすごいよ」
「ありがとう、大きくなったねハンソラ」
「大きくなったかな？」
「そうだよ、もうヌナより背も大きいしすごく頼れるハンソラになったよ」
「…じゃあ、ヌナのことはこれから俺が守るね」
目を見開いてびっくりしたあと、今度は少しずつ涙を零しながら。
綺麗に笑ったヌナを、俺はずっと忘れないんだろう。
一目惚れって同じ人に、何度もするんだね。
＿＿＿
ヌナがお風呂の後のドライヤーやスキンケアを終えて、リビングで寝落ちかけていた。
今日は俺とヌナがウジヒョンの作業室に呼ばれていたから帰りが遅くて、みんなはもう寝ている。
ウジヒョンもまだ戻らない。
「ヌナ、ここで寝たらだめだよ。起きないと」
「…ん、？はんそら、」
「……ヌナ熱くない？どうしたの」
ヌナを横抱きにすると軽さと細さ、体の熱さにびっくりする。熱あるの？お風呂で倒れるかもしれないのに、ちゃんと言わなきゃダメでしょ。
ヌナの部屋に断りをいれて入り、必要なものを取りに行ってまた戻る。Aヌナ、寒いのか縮こまっている。
「これ、頭に貼って。ドリンク何本か置くから、ちゃんと飲んでね。保冷剤包んだの、脇に挟んで寝てね」
「ありがと、」
「薬飲める？ご飯さっき食べてたから食欲はあるんだよね、ヌナ」
「うん…」
背中を支えて薬を飲ませた。ヌナのちいさい体が、つらいと精一杯訴えかけているようで愛おしくなる。
ヌナの前髪を優しく払って髪を撫でると、ヌナはふわぁっと笑う。
ヌナ、綺麗だ。
「ハンソラ、いつもヌナのピンチのとき、助けてくれるね」
「うん」
「…ヌナのヒーローみたい」
「Aヌナだけの？良いねそれ」
寝ていいよ、ヌナ。
ヒーローはずっとここにいるからね。
(…ハンソラ、まさか、ここで寝たの！)
(おはよヌナ、…げんきでた？)
(バカ！座ったままなんて…)
(なんで怒ってるの？)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2350人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゅんちゃん(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！いま�イ泙任△蠅泙后�ページ上部のシリーズ全てを見る、から飛べると思います！ (2021年11月6日 21時) (
レス) id: d1cd92e110 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - おもしろくて一気に読んじゃいました〜！！�△盂擇靴澆任� (2021年11月5日 23時) (レス) @page50 id: 8bf5dbbddd (このIDを非表示/違反報告)
いちご - なんか色可愛いんだが(真顔)面白かったんでホシくんポチっとなしときますねはい。(※彼女は中学生です) (2020年7月27日 21時) (レス) id: edee17033c (このIDを非表示/違反報告)
ちゅんちゃん(プロフ) - 瑪瑙さん» はっ…！！エメラルドの…！エメちゃんの大ファンです！読んでもらえて本当に嬉しいです…！なかなか進まなくてだらだらしたお話ですが、そう思って頂けて嬉しいです…(*`ω´*)もっと頑張ります！ありがとうございます！ (2020年7月18日 0時) (レス) id: 9b4c1ba7dc (このIDを非表示/違反報告)
瑪瑙(プロフ) - 文章から感じとれる優しさと愛がいっぱいの雰囲気と主人公と周りのメンバーの愛して愛されるという関係がとても素敵です！私も紅一点物を書いていますがこんな可愛い女の子は書けないです。更新楽しみにしています！ (2020年7月17日 2時) (レス) id: 17f4ccf88a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅんちゃん | 作成日時：2020年7月1日 0時
