たとえ私が壊れてしまっても……。< 2 >

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その6 ページ11

貴「っはぁっ、はぁ…。」

ア「今日はここまでにしようかねェ。」

貴「っぁ、はい…。」

あれから数日、私は毎日みっちり特訓をしていた。

周りの死神は私が前よりとても強くなったと言っていた。

…そんな実感ないけどなぁ……。

シャワーを浴びて家に帰る途中。

「ちょっとお前。」

貴「はい？」

声をかけて来たのは女。その周りには10人くらいの死神がいた。

「こっちこい。」

…はぁ？

貴「なんの用ですか？用件も教えてもらえないままついていきたくないんですが。」

「いいからこいって！」

チッ…めんどくさいな。

貴「ですから、用件を教えてください！ここで言えないような事なんですか！？」

「……はぁ、わかった。ここで話すよ。」

はぁ、って…こっちがため息つきたいんだけど。

「あんたさぁ、協会長に媚売ってんだろ。」

貴「はい？」

「とぼけんなって。協会長に媚売って、アンダーテイカー先輩に教えてもらえるように頼んだんだろ？」

貴「いえ、全く心当たりがないんですけど。

そんな話なら、帰りますね。」

そう言って立ち去ろうとすると、後ろから殺気を感じた。

貴「っ！」

攻撃を避け、振り返るとその集団が皆デスサイズを構えてこっちを見ていた。

貴「どういうつもりですか。」

「協会長に媚売る愚かな死神を処分するんだよ。」

貴「愚かって…そんな貴方達こそ愚かなんじゃないんですか。たかが先輩に教えてもらってるだけなのにそれはおかしいと思うんですけど。」

「うるさい！！」

そう言うと、集団は一斉に攻撃して来た。

貴「…はぁ、せっかくシャワー浴びたのに……。」

流石にこっちも攻撃すると後で厄介なことになりそうだし、デスサイズを使うのはやめとこ。

Aは10人の攻撃を軽々とかわしていく。

「はぁ、はぁ、っ。」

貴「軟弱ですね。先輩1人を相手にするより簡単でしたよ。それじゃ。」

しかし、相手をなめすぎるのもよくない。

貴「っ！？がはっ！！」

お腹を貫かれた。

以前も体験したことのある感覚に、昔の記憶がフラッシュバックする。

貴「…っテイ、カ…。」

.

ア「何をしているんだい？」