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次のバス停で2人で降りて、住宅街の一角にあるいかにも穴場っぽい喫茶店に入った。店内はほんのり暗くお客さんもまばらで、コーヒーの香りとゆったりと流れる音楽が心地よかった。
「ここ来たことあるの？」
jw「うん…でも一回だけ笑 特に行く宛があったわけじゃないんだけど、バス降りた時にここが思いついたんだ」
彼のあたたかくて柔らかい眼差しが私に向けられる日が来るなんて。相変わらずかっこいいなあ、なんて呑気なことを考えたりもしたけど
私は今ものすごく悩んでいた。
なぜなら私はアイドルジョンウとお忍びでここに来ていることになるわけだ。
しかも私は一応シズニであるわけで…
バスを降りてからこの喫茶店に入るまで、歩きながら卒業後のことを話した。大学生活はどうだったとか、今は何の仕事をしてどこに住んでるのかとか…
とは言ってもジョンウくんが色々聞いてくるだけで私からはあまり聞けなかった。彼も自分のことは話さなかったし。
最近はふわふわ明るいアイドルジョンウしか見ていなかったけど、今話すキムジョンウは学生時代と何も変わってなかった。
優しくて穏やかでちょっと控えめなの…
当時は2人で歩くなんてシチュエーションなかったけれど、彼は身長が高いにも関わらず私に歩幅を合わせてくれていて、それだけで嬉しくなってしまった。
注文したコーヒーを待つ間、私はシズニだと打ち明けることにした。
「あの……こんなところまで来ておいて申し訳ないんだけど、実は私シズニなの…
あ、でも今日会ったのは本当に偶然で！今帰省してて友達と遊んだ帰りにたまたまバスが同じで…
乗った時実はジョンウくんに気づいてたんだけど声はかけられなかった。
ジョンウくんもまさか自分のファンとこうしているなんて思わなかったよね。
ごめんなさい。もっと早い段階で言えばよかった」
jw「なんで謝るの？Aさんがnctを知ってくれててしかもシズニだなんてすごく嬉しいよ？」
「でも…アイドルが女の人と2人きりでこんなのいいの？しかもファンの人と…」
こんなこと言ってなんて返して欲しいんだろうか。
ジョンウくんと一緒にいられて今にも飛んでいけそうな程嬉しいのに、それと同じくらいの罪悪感がある。
ジョンウくんは今私とこんなところにいていいわけがないんだ。
jw「僕は今ただのキムジョンウだよ…？」
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作者名：にゃむ | 作成日時：2023年12月30日 18時
