美しい日々 (ページ14)

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再会1<JUNGWOO> ページ14

クラスメイトのキムジョンウに人知れず片思いして見つめるだけで、席替えで隣の席になることを祈ったりちょっとした些細な会話ができるだけで、そわそわしてしまうような高校生活だった。

卒業から数年してジョンウくんがアイドルとしてデビューするのを画面越しに見て驚き、彼が夢を叶えたという嬉しさと、本当に一生手の届かない存在になってしまったという寂しさで一人涙を流したりもした。

深追いはしないけれど公式垢だけはチェックしてカムバも応援するしコンテンツも見る。ただ、自分の知るキムジョンウがいなくなってしまいそうなのが怖くて、ライブに行くことはできないでいた。
ただ密かにジョンウくんが幸せでいることを願うだけだった。

学生のあの時と変わらずに

さらにそこから数年後

もちろんジョンウくんが同窓会に現れることはない。

ある旧正月、実家に帰省していた。若干寂れているけど何も変わらない地元でダラダラ過ごす日々。友人と遊びに行くのでバスに乗った。

学生時代も使っていたそのバスは、５つめのバス停でいつもジョンウくんが乗ってくるのだった。私はいつも後ろの方の席に座っていて、ジョンウくんが乗り込む頃には中も混んでいて前の方に進んで立っていたから、実は私と同じバスだっただなんて彼は知らなかっただろう。

当時好きだったバンドの曲を聞きながら、1人頭抜けた高身長ですらっとした骨格、漫画みたいに綺麗な横顔を見つめていたのを君は知らないでしょう？

そんな思い出のバスに揺られ、またしてもあのバンドを聞いていた。旧正月も終わりかけだからかバスの中も混み始めた。
「あ、ジョンウくんのバス停だ」と思ったその時私は自分の目を疑った。

でも見間違えるはずがない。

だってずっと好きだった人だもん。

相変わらず頭一つ抜けた高身長、すらっとした骨格、キャップを深く被りマスクもしてるけど私にはわかる。何も変わってない。

彼がどこで降りるのかはすごく気になったけど、ストーカーまがいなことはしたくないし追いかけたところでどうにもならないから、私は目的のバス停で先に降りた。