美しい日々 (ページ2)

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小さい頃からバレンタインの日は、母と一緒に父とマークのためにチョコのお菓子を作るのが恒例だった。

マークはホワイトデーにはちゃんと返してくれた。
それも手作りのお菓子。不器用なマークが私のためにそうしてくれるのがたまらなく嬉しかった。

小学校高学年にもなるとみんな恋愛を意識し出すから、なんとなく私もマークにチョコをあげるのが気まずくなってきたけど、毎年恒例だしいきなりやめる方が変かと思って、何より希薄になってしまったマークとの関係を唯一繋ぎ止めるもののように感じていたから、6年生になってもチョコを渡した。

正直もうホワイトデーは期待していなかった。
逆に迷惑だったらどうしようとか考えていた。
マークは優しいから断れないだろうし。

それなのに3月14日その日にマークは手作りのチョコパイを持ってきてくれた。もう外は暗くて息も切らしていたから、急いで私の家に来てくれたらしい。

その時私は家着に着替えていて前髪もピンで止めていてあまりにもダサかったから恥ずかしくて小さな声でありがとうとしか言えなかった。

来てくれると知っていたらもっと可愛い格好で会いたかったし、それならもっとちゃんと気持ちを伝えられたのに。