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「それで、結局お前は何処に行きたいんだ?」
国木田は猫と戯れる青年に訊ねた。
ルヴは国木田に視線を戻すと、こてん、と首を傾げる。
何ともあざとい仕草である。
「何処に」
ルヴはそう呟くと首を元に戻した。
そして心底困ったように眉を下げ、国木田を見つめる。
その捨てられた犬のような瞳に国木田は何やら嫌な予感がした。
「国木田、どうやら俺は行きたい場所を忘れてしまったらしい」
待て。
「家がどこかも分からない。住所が分からないんだ」
おい。
「お金も持っていない」
真逆。
ルヴは抱き上げた猫の頭を口元まで持ってくると、真顔で告げる。
「国木田について行ってもいいですかにゃー?」
胃に穴が開く音がした。
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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます (2019年10月26日 22時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
きなっちょ@本垢(プロフ) - 公開おめでとうございます~!!これからも応援してます!! (2019年10月26日 0時) (レス) id: 9d0e711e2b (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - 公開おめでとうございます!ずっと待ち構えていました!これからも応援してます! (2019年10月25日 20時) (レス) id: 5cd376c69b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月15日 19時