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「……それに、鳴海を殺したりなんかしたらあんたも死ぬだろうからな。それは困る」


「…………」


「"彼女"が死んで、あんたは死に場所を求めさまよった。まあ運良く人のいい人間に拾われたようで良かったよ」


青年は嗤う。



「生きてるのは苦しいもんな。判るよ。俺だってそうだから。死ね、と罵られるのは辛い。憎まれるのも辛い。何より自分の存在が、誰かを不幸にするのが辛い」



青年の胸ぐらを掴んでいたルヴの手の力が緩む。
はっ、とルヴは苦しげに息を吐いた。



「あんたのせいで彼女は殺された。火で炙られ、魔女と罵られ死んだ。あんたが彼女を唆さなければ、彼女は普通の女として幸せに暮らしていただろう。



あんた、今でも苦しいんじゃないのか?」



青年の金の瞳がルヴを射貫く。


「今でも見るんだろう? あの悪夢を。…………19の少女が火で炙られる姿はどうだった?」


「…………れ」


「初恋の人に憎悪の瞳で見つめられるのはどんな気持ちだった?」



「黙れ」



「怖いんだろ? また大切な人を不幸にするんじゃないかって、怖くて怖くて堪らないんだろ?」




「黙れ!!」



ルヴは怒鳴る。



「だったら俺はどうすれば良かったんだ!! 主人の命に背けばよかったのか!? 彼女の運命を無視して助ければ良かったのか!」



あの日、牢の中で彼女は俺に抱いて欲しいと云った。
けれど俺はお前の処 女を奪うことは出来ないと首を振った。あの時の、彼女の顔は忘れられない。


全てを諦めたような表情で笑い、「………そうね」と目を伏せた、あの____。



「………………俺が死ねば良かったんだ」

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★ayaka★(プロフ) - 面白かったです。続き待ってます (2019年10月26日 22時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
きなっちょ@本垢(プロフ) - 公開おめでとうございます~!!これからも応援してます!! (2019年10月26日 0時) (レス) id: 9d0e711e2b (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - 公開おめでとうございます!ずっと待ち構えていました!これからも応援してます! (2019年10月25日 20時) (レス) id: 5cd376c69b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年10月15日 19時

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