【3年A組】せんせー、好きです【今から皆さんは人質です】

好き。 ページ4

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Aが出ていった後の美術室は静寂に包まれていた。


柊はAの描いた風景画を眺め、ゆるりと口角を上げる。
長い指ですう、とキャンバスの表面をなぞり、呟いた。



「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅うん、綺麗だ」



⋅



「うひゃああ⋅⋅⋅⋅⋅⋅」


私は外まで出て、窓の下に踞る。
変な声を上げながら頭を抱える私はさぞかし不審な生徒だろうけど、今はそんなこと気にならなかった。

絶対変に思われた！！

何で逃げちゃうかなあ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅。用事なんて、あるわけ無いのに。嘘をついてしまった⋅⋅⋅⋅。


でもでもでも、すぐ上に先生が居たんだもの！


声がすごく近く感じて、ちょっと限界だった⋅⋅⋅⋅⋅色々と。


変な子って思われたかな？


いや、その前にも思われるような事は何度か⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅うー、反省してももう遅いか」


私は立ち上がり、スカートを整えながら、ここ、どこだろう？と辺りを見回す。


「あ、プールか」


開いていた窓の中を見て、呟いた。
水泳部が居る。気持ち良さそうだなあ。今夏だから、特にそう思う。涼しさがここまで伝わってくる。


水がキラキラと太陽の光に反射して、綺麗。


泳ぐのは苦手だけど、本当に苦手だけど、この景色は好きかもしれない。


ああ、でも、こんなところで絵は描けないから、残念だ。

だけど、この景色を写せば無問題(モーマンタイ)！
謎の中国語が出てきたけど、気にしない。

いつも常備しているカメラを取り出して、撮影する。

うん。上手く撮れた。


「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅次描くの、決めた！」

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