好き。 ページ3
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅せんせ、」
「ん?」
キャンバスに滑らせていた絵筆を止めて、先生が振り向いた。
かっこいい⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅じゃなくて。ダメダメ。違う違う。
私は頭を振り、気を取り直して手に持っていたキャンバスを先生に渡す。
「お、出来たのか」
「自信ないですけど⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「うーん⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
先生は私の絵を眺める。ドキドキと心臓が五月蝿い。
やっぱり先生の顔、整ってるな。ああ、どうしよう、好き。
心臓持たない。でも、このまま二人で居たい。
そんなことを悶々と思っていると、先生が顔を上げる。
視線がかち合う。
真っ直ぐに見つめられるから、体がかっと熱くなる。
「うん、前より良くなってる」
「ほんとですか! 良かった⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅風景画は?」
「えっ? あ、それは、こっちです」
私は別のキャンバスを取り出して先生に渡す。
そこには私の得意な風景画。
描かれているのは、教室から見える夕陽の絵。
「うん、やっぱり、Aの風景画が一番だな」
「そんなこと、ないですよ⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
「いいや、一番だ。見てると温かくなる絵だ」
そんなことを言って笑うから、また心臓が五月蝿くなる。
顔が熱い。見られたくなくて、顔を伏せる。
がたり、と椅子を引く音が聞こえた。
上から、大丈夫か?という声。
だめだめだめだめ!今、私、顔真っ赤だもん。
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅A?」
「わ、わたっ、わたし! この後、用事があるのでっ、失礼します!!」
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有瑠 - めっちゃ良きですw途中で入る突っ込み面白くて好きです(*^^*) (2019年2月6日 3時) (レス) id: 1a2852e490 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - このドラマ大好きなのであと大好きな涼太君が出てるので最高です (2019年1月19日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおーれ(プロフ) - とってもおもしろいです!!これからも頑張ってください! (2019年1月14日 18時) (レス) id: ebf84b17a4 (このIDを非表示/違反報告)
ひの - ふわふわ甘くてとても私好みのお話です!夢主ちゃんは可愛いですし、先生は素敵です//(*^^*) (2019年1月14日 15時) (レス) id: eb8bfa778a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年1月13日 23時