【文スト】どうも、配達のおにーさんです【男主】

配達一:お兄さん、働く ページ2

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「宅配便でーす！」


明るい、俗に言うイケメンボイスが建物内に響いた。
声の主は爽やかイケメンという言葉がピッタリの青年だった。
ダークブラウンの髪に紫の瞳を持っている。




「はーい。あっ」





出てきた女性はイケメンの配達員に頬を赤く染めた後、化粧をしてない⋅⋅⋅⋅⋅！！と青ざめてしまった。


青年はそれに気付いたようで、相変わらず爽やかな笑みを浮かべたまま云った。



「やだなぁ、お化粧なんかしなくたって、奥様は十分お綺麗ですから！」


「あ、あら、そう？」


「はい！ あ、ここに判子を⋅⋅⋅⋅⋅⋅ありがとうございます！」


青年は爽やかな笑顔のまま、次の配達がありますんで！と足早に去っていった。



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「相変わらずお世辞が上手だね」


美しい黒髪の美少女がバイクの上に座っていた。



「まあな⋅⋅⋅⋅⋅⋅けど、あのテンション本当に疲れる」


先程の笑顔とは打って変わって、気だるげに頸を回す青年。
少女は、じゃあ止めれば良いのにと呆れたように云った。



「⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅うーん⋅⋅⋅⋅⋅。そうなんだよなあ⋅⋅⋅⋅⋅。でも今更やめるってのも⋅⋅⋅⋅⋅」


「出た。武郎の優柔不断。そーゆーとこ嫌い」



「ええー⋅⋅⋅⋅⋅それは、お兄さん悲しいなあ⋅⋅⋅⋅⋅葉子ちゃん」


「何か首領みたいになってる」


「げ、マジ？」


うーわー、それはやだ、と青年は額に手を置く。
少女はそれを見て溜め息をつき、青年をびしっと叩く。



「次の配達、間に合わないよ」


「うげ、そうだった。まあ、今の仕事、結構楽しいし、今のままで良いよ」


「武郎が良いなら、私も別に構わない」


「葉子ちゃん⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅優しい！ 好き！」


「一寸気持ち悪い」

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