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先生に頼まれて渋々保健室へ来てみたら。

なんてものを見せられているんだろうか。



カーテンの隙間から見える、頰を染めた可愛らしい女の子と、ニヤリとしたキヨ君。

今から何するつもりなんだろうか。ここは学校なのに、キヨ君は女の子が嫌いなはずなのに。

今すぐ立ち去りたいけど足が動かない。目を話せない。心臓がうるさい。



女の子が突然顔を赤らめながら保健室のドアを開けて廊下に座りこんだ。
私のことは見向きもせず、良かったのだけど。


キヨ君と目が合った。キヨ君はびっくりしているのか、目を見開き固まっていた。



逃げなきゃ



私は教室へ向かって走り出そうとした。

が、すぐに開く保健室のドア。


まずい。


一生懸命走るも、そんなの一瞬で。元サッカー部に敵う訳もなく、あっという間に追いついかれた。


「…(人1)」


声が出ない。キヨ君と話したくない。


「…今も、好きだから」


いつも友達と騒いでるときとは違う、優しい優しい声でそんな事言うからどうしようもなく恥ずかしくなった。


でもキヨ君はそれだけ呟いて、あの女の子の元へ走ってしまった。

辛い、見たくない。ねぇ、何を言うの、キヨ君。



「…俺も好きだよ、付き合お」

「……え、本当に!?本当にほんと!!?」


嬉しそうにキャピキャピはしゃぐ女の子と優しい目で見つめるキヨ君。
女の子にまた放課後、と呟いて私の横を過ぎ行く。


…なんで。
そんな気持ちで見つめるとキヨ君も私を見つめて口だけを動かして切なげに微笑んだ。


''す き''


その瞬間、溢れ出す涙。心が痛い、苦しい。

私は地面に座り込んでしまった。





でも、誰かに抱きしめられる感覚があった。
誰か分からず振り返ろうとすると視界が暗くなった。手で目を塞がれたようだ。


「…何も言わないで、分かってるから。」


耳元で響く、落ち着く声。
フジ君、だ。


『な、んで、熱…』

「もう下がった。今来たとこ。」


もう、なんでこの人はこんなに優しいんだろう。

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みらい(プロフ) - この続編が見れないのですが... (2016年4月28日 22時) (レス) id: 3ab5c05228 (このIDを非表示/違反報告)
紫水 - 蒼乃さん» ありがとうございます!テンポよく更新していけたらいいなと思っています!頑張ります!! (2015年12月14日 23時) (レス) id: eb31e08839 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 更新楽しみにしています。とてもワクワクしています。応援しています (2015年12月14日 22時) (レス) id: 254f248085 (このIDを非表示/違反報告)
にゃこ(プロフ) - 怜奈さん» まじですか!!最高でしたね!!!でも会員じゃないのでレトさんの弓道が見れない!!! (2015年12月12日 18時) (レス) id: d17cd5009f (このIDを非表示/違反報告)
怜奈(プロフ) - 私も江戸村見ましたよ!最高でしたね!!最高でしたね!!(大事なことなので二回言いました) (2015年12月12日 14時) (レス) id: 3dc44ae1cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃこ,紫水 | 作成日時:2015年11月6日 20時

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