【キ.ヨ】嫌いな人が好きな人【実.況.者】

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俺は無我夢中で屋上まで走った。今日は先生に真面目に怒られるかもしれないけど、今はとにかく一人になりたい。

屋上のドアを勢いよく開け息をつく。


…あんなにビシビシいう子だと思ってなかった。
目をキッとさせて、いつもみたいにニコニコしてなくて。
なんであんなに真剣だったんだろう。
そんなに気になる事ではないはずだ。第一、あいつはフジはともかく俺のことが大嫌いなのに。
もしかしたらフジがなんか言ったのかもしれない。キヨと最近仲悪い、とか。

…(人1)はフジが好きだから、フジの役にたとうとした？


嫌な考えを振り払うように首を横へ降った。季節は冬に差し掛かろうとしているのに頰を伝う汗は嫌な汗だ。


「フジとは仲直りして、(人1)とも卒業までに話したい、よなぁ。」


ぽつりと呟いた一言に反応するかのようにチャイムが鳴った。


きっと先生は保健室へ来るだろうし、保健室でサボるか。そう思い屋上を出た。


保健室に着くと女子がいた。俺がドアを開けた音にビックリして振り返った女の子は、絆創膏を貼っていた。見たことあるけど誰だっけ。


「き、キヨ君！！」


…嬉しそうに駆け寄ってくるのを見て思い出した。
こいつはサッカー部のマネージャーだ。

俺もこいつももう退部してるから出会うのは久しぶりだ。


「どうしたの？」


俺が女子嫌いなのを知ってるのか知らないのか。こいつはいつも近距離で話しかけてくるので正直苦手だ。


「…いや、しんどくて。」


もちろん嘘だ。でもこれでしつこく話しかけてきたりはしないだろう。


「えっ！？大丈夫！？ベットまで着いてくよ！！つかまって！！」


ただのお節介なのか、俺には迷惑でしょうがないが勝手に俺の腕を持って支え始めるもんだから俺に拒否権はないようだ。

ベットまで運んでもらったら普通に別れるのかと思ったがベットのカーテンを閉めてからじっとこっちを見つめてくるもんだから、ちょっと遊びたくなった。


「なに？期待してんの？」


ニヤリとした視線を送ると恥ずかしそうに視線を逸らした。


「ち、ちがう！！キヨ君やっぱカッコいいなぁって！！」


別に嬉しくもなんともない。カッコイイって言われて嬉しいのは(人1)だけだし、多分。


「ふーん。こんな短いスカート履いといて？」


俺は女子はあんまり好きじゃないけど女子の身体は大好きだ。特に脚。

かと言ってこいつに手は出さないけど。
(人1)以外の女子に興味ねぇ。

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