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A
「それで、話というのは？」
あの後、左京さんに呼び出された。
大体何の話かは見当はつくが。
左「お前、俺の事を覚えてるのか？」
どう返答しようか迷ったが、どーせすぐバレるだろう。
「覚えてるよ、左京くん。」
左「くん付けはやめろ。そんな年じゃねぇ。」
「あはは、恥ずかしがってやがんの。」
左「てめぇ……」
こうやって左京くんと……いや、左京と話すのは何年ぶりだろうか。
左京と出会った時は、うろ覚えだけど忘れたわけじゃない。
昔、お父さんが主宰を勤めていた頃のMANKAIカンパニー。
そこの団員を左京がずっと見てて、それを見つけた私と姉さんが声をかけたんだっけ。
「姉さんは覚えてないっぽいね。」
左「……あぁ。」
「ちょ…そんな露骨にガッカリしなくても…！」
左「何笑ってやがる。」
こちらを睨んでくるが、その瞳からは寂しさや悲しみが混じっている……気がする。
「私じゃなくて、姉さんが覚えてたら良かったのに。」
ふと呟いた言葉は、どうやら聞こえていたようで。
左「……お前は勘違いをしている。
俺はお前が……。いや、何でもない。」
「何それー。」
左「……妹が出来たみたいで、嬉しかったってことだ。」
「私も、兄さんが出来たみたいで嬉しかったよ。
左京兄さん。」
左「……あぁ。」
左京の顔色を伺っても、何も分からなかった。
ただ、納得がいかない表情をしているのは確かだ。
左「ともかく、改めてよろしくな、A。」
「急に改まって何？」
左「うるせぇ。黙ってよろしくされろ。」
「あはは！何それー！
まぁ、よろしくね？左京。」
左「……っ…」
笑いかけるようにして言うと、頭を撫でてくれた。
顔はそっぽを向いたままだが。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
おまけ
至「何あれ、ちょっと良い感じじゃない？」
い「会話は全く聞こえないけど、明らかに良い感じですね……。」
真「監督と俺みたい…」
い「うわぁっ！？真澄くん！？」
その声がどうやら左京に聞こえていたらしく。
至「あ、バレた。
監督さん、後は任せた。」
い「え、ちょっと至さん！？」
左「盗み聞きとは、良い度胸してんじゃねぇか。」
い「ちちち違うんです！たまたま…」
真「監督は悪くない。」
い「真澄くん……」
真「妹が拐かされないように、って見張ってただけ。」
い「真澄くん！？」
左「ほぉ……？」
い「ごめんなさいぃ！」
続く (更新停止中)
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作者名：☆イッチー★ | 作成日時：2018年7月9日 18時
