この恋は本物ですか２【赤】 (ページ30)

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縛られ抜け出せなかった恋から、宮舘くんは救ってくれた。

周りが見えなくなった私に手を差し伸べてくれて。

私の傍にずっと居てくれた。

鼻の奥がツンとして更に声が震える。

目に涙が徐々に溜まっていき、零れそうになる。

それでも彼の目を真っ直ぐに見て、私は笑った。

そしてついに頬に涙が流れた。

その涙を宮舘くんは優しく拭ってくれて。

「ずっと俺の方がAの事好きだとか、幸せに出来るって思ってた。隣の席の友達ってだけのポジションしんどかったんだよ？」

ふふっと笑うと、宮舘くんは「コラ」とおでこにデコピンをしてきた。

「漬け込んだって、ずるいことしたことは分かってる。けど、それでも俺はAの一番になりたかった」

すると、彼は私の頬にそっと手を添えた。

髪を耳にかけ指先で頬をスルッと撫でる。

くすぐったくて目を細めると、ゆっくりと近づいてきて。

「ごめん、もう離せない」

眉を八の字にして笑った彼に愛しいと想う感情が溢れた。

涙をまた流した私に、彼は優しいキスをしてくれた。

私も離れられないな、と。

心の中でそう密かに思い、彼に笑顔を浮かべたのだった。

「宮舘くん、大好きだよ」

本物の恋を教えてくれて、ありがとう。

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