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「うわ、二人で来たの」
放課後の図書室。
私は宮舘くんを連れて渡辺くんに会いに来ていた。
「お世話になりました」
宮舘くんの相談をここでしたんだ、付き合った報告は本人にしっかり言わなきゃと来た次第だ。
ペコリと頭を下げると、隣の宮舘くんは怪訝な顔をする。
「いつ知り合いになったの。んでいつお世話になったんだよ」
「電車で偶然って感じ。怒んなよー」
手元の本に目を滑らせながら全く反省の色を見せない渡辺くんである。
相変わらずの態度に思わず笑ってしまう。
「ね、渡辺くん見て」
そんな彼に私はスマホのロック画面を見せる。
写真の中で笑う二人の耳には、お揃いのピアスをしていて。
自慢げにニコッと笑うと渡辺くんはつまらなそうに「ふーん」と声を漏らした。
「思っくそ惚気けたな」
「へへへ、私の彼氏かっこいいでしょ」
「そっちなんだ」
すると宮舘くんは私の頭を軽く叩き「恥ずかしいからやめて」と顔を赤く染める。
もちろんピアス自慢もあるが、一番はこのイケメンすぎる彼氏だ。
自分でも画面を見てニヤニヤと顔を歪ませてしまう。
「誰が幼馴染のデレデレした顔見たいんだよ…」
はぁ、とため息をつく渡辺くん。
「ま、幸せそうだから安心したわ。涼太もAさんもおめでと」
私と宮舘くんを交互に見て軽く笑った渡辺くん。
祝福してくれた彼はすぐに別の本を手に取り、また読み出してしまった。
その光景を見て苦笑いの私たちである。
「あ、そうそう」
すると、何か思い出したかのように顔を上げる幼馴染くん。
「涼太、意外と嫉妬深いから気をつけなね」
「それどういう意味、翔太」
「俺にずっと相談してたじゃん。Aがバイト先の男と仲いいとか、ふっかとの距離が近いとか」
「それ以上言ったら手が出かねない」
渡辺くんの口を無理やり抑える宮舘くん。
もう出てるじゃん、手。
仲良い二人に思わず笑ったのだった。
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作者名：ガム | 作成日時：2022年9月25日 15時
