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体育祭が終わった。
体育祭実行委員だけが残り片付けをしているのにも関わらず、本来帰っていいはずの私たちは裏庭に残っていた。
まぁ、逃げてきたと言っても過言ではないが。
公開告白してしまった宮舘くんは女の子たちに囲まれてしまって。
質問攻めされた宮舘くんの手を引き、何とかここまで走ってきたのだ。
私たちが付き合ったことすごいスピードで知れ渡った瞬間だったなぁと冷や汗が流れたのだった。
そして今は体育倉庫に背を預け宮舘くんと向き合っている。
「一位とれました。感想をどーぞ」
手をグーにして私にそれを向けた彼。
ゴホンと声を整え彼の目を見て笑う。
「めちゃくちゃ嬉しいです」
「俺もです。えー、あとあれだね。Aさん」
「は、はい」
微笑んだかと思えば急に真顔になる宮舘くん。
分かりやすく首を傾げると、彼は私の顔の横にそっと手をついた。
「もう耐える必要ないってことだよね」
「え…？」
低い声でそう囁かれる。
宮舘くんはそのままゆっくりと近づいてきていて。
片方の手を私の頬に添える。
そして彼は、優しいキスを私にしてくれた。
それは何度も角度を変えられ、刺激で肩が跳ねる。
電流が走ったように甘く痺れていく。
彼の服に手を伸ばし掴めば、その手を取られギュッと握られ。
恋人繋ぎになり、より彼の体温が私に注がれた。
ゆっくり離れていく身体。
少し潤んだ目で宮舘くんを見ると、彼は色っぽい眼差しを私に向ける。
ドキッと心臓が跳ねて、その心臓の音はバクバクと激しさを増していく。
「好きだよ」
顔を崩し柔らかく笑った宮舘くん。
初めて彼から言われた「好き」という言葉が胸を貫いた。
もうドキドキしすぎて死にそう。
「私も大好き」
精一杯の笑顔でそう返す。
彼は私の言葉を聞くと目を見開いて。
照れたように目線を落とすと、私の頭に手を置き、
髪を何回も撫でてその指先で私の頬に触れた。
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作者名：ガム | 作成日時：2022年9月25日 15時
