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ついに体育祭の日がやってきた。
私たちの学校は５色に分かれる。
赤、白、青、黄、紫である。
私たちのクラスは赤色。
深澤くんはずっと紫がいい紫がいいって言ってたけど、決まってしまったものは仕方ない。
今年から一人一つずつその団の色のハチマキが配られる。
しっかり付けていないと減点になるらしく、みんながその団の色のハチマキをつけていると綺麗でなかなか見応えがある。
私も早く付けるため髪を結ぼうとすると、いつの間にか宮舘くんが私の後ろに回っていて。
「ゴム貸して、結んであげる」
ドキッと胸が鳴った。
断ることができず素直に渡すと、彼は私の髪を手ぐしで整え始める。
「ほんと綺麗だねー。本物？これ」
「いやカツラじゃないから、本物だから」
「っふは、ナイスツッコミ」
手際よく高い位置で結んでくれる。
すると、手に持っていたハチマキまで奪い取られてしまい。
「ここら辺でいいでしょ、よし完成」
テキパキと結んでくれた。
肩に両手を置かれクルッと宮舘くんの方に向かされる。
10cm以上も差がある彼を見上げれば、宮舘くんは少しだけ顔を赤くした。
「…ポニテほんとにいいね。めっちゃ似合ってる」
「宮舘くんもハチマキ似合ってる。カッコイイよ」
赤が良く似合う。
普段とのギャップがすごすぎて直視できない。
サラッと少しはみ出した髪を指でいじる宮舘くん。
頬にその指が触れ、熱くなる。
「誰にも見せたくないんだけど」
「な、何言ってるの」
「体育祭限定じゃなくて今度俺の前だけでその髪型やってよ。かわいい」
カーッと身体が熱くなり動けなくなる。
直立不動の私に笑う彼は、最後にポンッと頭の上に手を置いて撫でてくれた。
「約束、忘れてない？」
「…うん」
「リレーきたらめっちゃ応援してね」
ふわりと笑った宮舘くんに、私も笑い返す。
きっと私が一位を取って欲しいと願っていることを、宮舘くんは知らない。
本番がきたらめちゃくちゃ応援しよう。
そう密かに心の中で思ったのだった。
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作者名：ガム | 作成日時：2022年9月25日 15時
