この恋は本物ですか２【赤】 (ページ15)

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「別れたばっかなのに別に好きな人がもうできちゃったんだけど…これまずいよね」

ボソボソっと呟くと、渡辺くんは大きなため息をついた。

やれやれと言った感じで首を横に振ると、また本に目を戻す。

「いいんじゃないの。Aさん、その変な男と付き合ってる時ドンドン気持ちは冷めてたんでしょ？そばで一番理解して支えてくれた人を好きになるのは自然なんじゃね」

ば、バレている。

私が好きな人すごいバレている。

でもその言葉のおかげで肩の力がふっと抜けた気がした。

「渡辺くんはいないの？好きな人」

「いねーわ」

「できたら教えて、Aさん応援するよ」

「いやいい。ろくなことなさそうだし」

「何よろくなことないって。めちゃくちゃ失礼」

こんなこと言うけど、きっと渡辺くんが好きになる人は素敵な人だろうな。

ナチュラルに人に仕事やらせちゃうけど。

失礼なことガンガン言っちゃうけど。

「ボーッとしてたら仕事増やすよ」

「してません」と慌てて仕事に取り掛かったのだった。

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