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合わないピントの眼鏡越し(Lt.BLU) ページ36

でも笑われながら
「中島くんの写真なんやからみんな楽しそうに笑ってるんやろな。見えへんけど」
Aさんそう言ったんですよ。
誰かが俺の代わりに「なんで?」って聞いてくれて…





そこまで中島くんが説明すると、さすがに思い出す あの時のこと。


「ねえ、俺ってかっこいい?」

あの日と同じ質問。



「しゅっとしたイケメンやで」

「よく見えてない今も?心の目で?」



何が言いたいんだろう。
何を言わせたいんだろう。


そう探りかけてやめた。
もう 自分に素直になろう。



中島くんは元彼と比べられないくらいものすごくかっこいい。
外見だけじゃない、内面も。
あのライブの日からいろんな中島くんを見せてくれて疑心暗鬼だった私を安心させてくれた。

というか 比べちゃだめだったんだ。
かっこいいからって遠ざけて勝手にレッテルを貼ってた私がいけなかったんだ。


「顔が見えてなくても、中島くんはかっこいいよ」

「…っ」


私の眼鏡は戻されることなく、中島くんの胸ポケットに仕舞われた。
私たちは手を繋いで元来た道を戻る。


「やっぱ今日の上映会なし!」

「何気に今日の映画楽しみやったんやけど」

「手離したらだめですよ、絶対転びますから!どこ行こっかなー」

中島くんの表情は確認出来ないけど 今の私にはどんな顔してるか分かる気がする。






.


「なんで見えてへんのにAに分かるん」

「中島くんの周りってみんなめっちゃ楽しそうちゃう?自然に笑ってまう感じ?なんとなくやけど。中島くんの人柄やんな。あとは…」

「あとは?」

「見えないからこその…心の目!やな」

「ぶっは!きっしょー!Aまじできついって」

「ちょ、笑いすぎやって」



そんなに話したこともない先輩だったけど俺のことそんな風に思ってくれてて、
うまく見えてないはずなのに俺が撮った写真を優しい目で眺めてくれて褒めてくれた。

初めてだった 嬉しかった。

でもAさんは俺だけにじゃなくて、周りをよく見てフォローして
みんなに優しい人だった。





眼鏡を取り上げて強行手段。

きっと 告白した日よりは近づけたよね?



「じゃあ眼鏡作り直しに行かへん?」

「俺がAさんに合うフレーム見繕いますね」

「ははっありがとう!」


もっともっと 俺のこと知ってほしい。





End



_________
ゆーと作りづらかった…悪戦苦闘しながらでした。
付き合ってないけど、ちょっといい感じな2人を書きたかったんです。言い訳。

パリピポぴぽぱぽ(PUR)→←合わないピントの眼鏡越し(Lt.BLU)



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設定タグ:平成跳 , HSJ , Short   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:もぶ | 作成日時:2017年1月24日 15時

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