cosmic is きらきら (ページ15)

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ハウリングオーケストラ(BLU) ページ15

彼の連絡が本格的に途絶えて
「もう恋なんてしない」

『そんなこと言うなよ』

突然とめちゃんから電話がかかってきたお昼休み。

「私本気だから」

そう、めちゃくちゃ本気だよ。
いのちゃんが好きなんだってやっと気付けたのに
そしたらその"好き"も言えなくなるほどあっさり遠くにいっちゃうなんてひどい。
こんなに恋が辛いならしない方がましだよ。

『とりあえず今日の夜暇でしょ？飯行くからおいで』

そう言われて電話を切ると早々に送られてきた店舗情報。
いのちゃんのこと、やいのやいの言われるのかな…それともいのちゃんの近況？
知りたくない聞きたくない行きたくないー。

でも気になるのは気になるもので…
家に帰るには東西線に乗り換え、お店に向かうにはそのまま有楽町線。

最後の最後まで迷った結果、やっぱり降りずに店に向かう。

明るい開けた店の中、入店と同時にいのちゃんの姿を発見してテンパった。
とにかく窓に映る顔をチェック。
完全に油断した！

ゆっくり席に向かうといのちゃんの向かえに座る女性も見えてきた。
でもあの時駅で会った人じゃないみたい。

思わず止まった足。
とめちゃんいないし…どういうこと？
もしかしていのちゃんとは別？
偶然ここで会っただけ？

楽しそうに夢中で喋ってるいのちゃん。
するといのちゃんより先に私に気がついた女性が優しく笑って手を振ってくれた。

「もしかしてAちゃん？初めまして！光は仕事で遅くなるみたい」

「あ、初めまして…」

もうパニックでしかない。なんで私のこと知ってるの？！今日は何の会？いのちゃんの彼女発表会？！

いのちゃんの隣に促されてひとまずドリンクを頼んだ。

「久しぶりだねーまぁ何かつまんでなよ」

「あの…！」

あなたはいのちゃんのなんですか？とは聞けずに。
目の前の女性はいきなりテーブルに手をついて頭を下げた。

「慧を借りちゃってごめんなさい」

慧？この人いのちゃんのこと慧って呼んでるの？
私の闇は増すばかり。

「こいつ俺の元カノ。ははは！」

「はぁ？？！いつ付き合った？そんな記憶全然ないんですけど！いい加減なこと言わないで」

「俺は好きだよ」

「私も好きだよ友達としてね！Aちゃんびっくりするからまじでやめて」

聞けばただの腐れ縁で彼女はとめちゃんと付き合ってるんだとか。
ストーカー被害で悩んでるところにいのちゃんが名探偵よろしく解決したんだって。
ざっくり説明してくれた。