cosmic is きらきら (ページ7)

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コンカツ(Lt.GRE) ページ7

「婚活女？！それぜってーハズレくじだわ。そんな必死感満載の女と連絡先交換してきちゃったの？薮おばかだねぇ。間違っても付き合っちゃだめだかんね！アレだよアレ、お付き合いを前提に結婚するやつだよ！ねえ、Aちゃん」

「あははははは！」

「はは、ははは…」

笑えない。
まじで笑えない。
伊野尾くんに"それ私のことです"なんて言えない。
しかも薮くんも爆笑してるし！

あれからパーティーが終わって日が傾いた寒い中で私はひたすら薮くんを待った。
出待ち。
仕事中じゃなければいいんでしょ？って考えに行き着いた私は馬鹿みたいに待った。

いざ薮くんが出てくるとさっきまでなんて話そうかって考えていたことも真っ白になる。

震える手で連絡先を渡す。
口が閉じたり開いたり忙しないけど一言も音を発することが出来なかった。

「あ、さっきの」

「食事に、食事に行きましぇんか」

噛んだ。

そんな私を面白く思ってくれたのか、はたまた時間潰し的な品定め的な何かなのか薮くんは「ぜひ」って連絡先を受け取ってくれた。

2対2で設定。
彼は伊野尾くんを連れてきた。
私は梨花を…って思いっきり遅刻してるから今現在2対1なわけで。

あーあー、もうやだ消えてなくなりたい。
そうです、私が必死感満載女です。
次誕生日を迎えたら王台の三十路です。

「んー、でもそれもいいんじゃない？」

「え、薮結婚すんの？！」

「いやいや、そうじゃなくて。自分の気持ちに素直ってことでしょ？可愛らしいとは思うけどな」

あるぇー？味がしない。
あ、なんだこれ水か。

「お、Aちゃんってお酒いけるクチなんだー、飲んじゃえ飲んじゃえ！」

運命だと思ったの。
薮くんを一目みて、この人だって思ったの。
でも薮くんからしたら結婚に必死な女にしか見えないもんね。
なんで今日誘ってくれたの？

「ごめんなさい、遅れました！」

お酒に弱い私は梨花がいつ合流したのか、これが何杯目の水割りなのか…
失態に気付けたのは翌朝のことだった。

「ふはははははは！」

ずきんずきんする、その笑い方やめてくれ。
耳のすぐ横にある口を両手で塞いだ。

「あ、れ？俺今寝言？やっべー、自分の寝言で起きちった」

は？

ベッドに座って頭もしゃもしゃしてる彼は間違いなく伊野尾くん。

「あ。ヤってないよ！安心して。さっきまで薮もいたから」

え？

「薮は始発で帰ったよ。もう少し寝ていい？」

そう言って伊野尾くんは私に抱きついた。