03 ページ24
ずーん。
鏡の前で所謂貞子状態。
濡れたままの髪のせいでルームウエアが冷たくなってきた。
髪の毛の隙間から見える目がどんよりと重い、重い。
二重の幅がおかしい。
あーあ、やっちまった。
泣きすぎた。
これは圭人くんに隠せても大貴には隠し通せないくらいのやつだわ。
でも気持ち的には思いの外すっきりしてる。
私って圭人くんのこと好きだったんだなってしっかり落とし込むこともできた。
「ねえ、圭人と軽く酒飲み始めてるけど…っ！！うわー、びびった。そんなカッコで何してんの。伽椰子？」
「そっちもアリだね。で？」
「あ、なんかつまむものあるかなー、て」
「大貴」
「ん？」
「今日はとことん付き合ってよ。高級なお肉もあるし！お酒もたくさん買ってきたし！酒池肉林！」
「しゅ、しゅち？おう飲むか」
ちゃんと失恋できたよ。
短い期間のちょっとした恋だったけど。
優しい圭人くんが大好きだった。
人の気持ちに寄り添える温かい子で、感受性？感性が豊かで、ギター弾いてる姿がかっこよくて。
あの曲が私のこと歌ってるだとか、歌詞もあんまり気にして聞いてなかったけど…素敵だった。
だけど、好きになっちゃいけない人。
弟なんだから。
「…しゅち、すんだろ？」
「うん」
「はい、これ」
ケーキについてきた小さな保冷剤を受け取る。
「髪乾かす前にまず冷やしとけば？」
「大貴」
「そんなことだと思ったわ。お前昔からわかり易すぎ」
「…なんでそんな優しいの」
さっきも泣いたのに、もう泣いちゃいけないのに。
保冷剤で冷やさなきゃ。
「もー、ばか大貴！ありがと！」
「ツンデレか」
くしゃくしゃと髪を優しく拭かれ、視界が広がる。
映し出された世界いっぱいに優しく笑ってる大貴。
大丈夫、大丈夫、大丈夫…大貴の呪文を聞きながら。
バスタオルの柔軟剤越しにいつもの大貴の匂いをふんわり感じた。
元彼が失恋した私を励ましてくれてるなんて、なんか変だなって冷静に思いながら。
「大貴がいてくれてよかった」
「でしょ」
_________________
お気に入り登録ありがとうございます！
あれ？これって有岡くんの小説になってません？笑
只今リア渋です(リアルが渋滞してます)
スロー更新ですが、ちょっとずつ書ける時書いていきますのでお付き合いお願いします。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「有岡大貴」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もぶ | 作成日時：2018年4月8日 15時
