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『俺さ、形式は別れててもこうして同棲続けてたら、また復活？できる、のかなって思ってた。けどA全然だし、あれからまったくなんにもない』
『俺のこと、もう嫌い？少しも？ちょっとも？』
『俺まだ解消する気ないって言ったら、引く？』
『俺、まだ好きだから』
化粧が崩れることも気にしないで袖でごしごし涙を拭いた。
さっきの大貴の言葉を思い出してはまたどぼどぼと涙が流れてくる。
目じりがひりひりする。
それがまた涙にしみて痛い。
なんで、なんで、なんで
自分で決めた別れなのに、こんなにつらいなんて。
別れを切り出した日よりもつらい。
ちゃんとした大貴の気持ちを聞かないでそのままだったから、今になって苦しい。
全部、後回しにしてきた私が悪いんだけど。
こんなことなら別れなきゃよかった？
今ならまた前みたいに戻れる？
そこまで考えたところで立ち止まった。
「ぶふぉ！！！」
「あ？！ごめ！」
いきなり背中に衝撃がはしる。
振り返ると圭人くん。
肩を抑えながらにこにこしてた。
「あれ、圭人くんどうしたの？」
「ちょっとコンビニ。Aちゃんこそ今帰り？連絡かえってこなかったからちょっと心配してたんだ」
コンビニの袋を持ち上げる圭人くんにまたまた涙がにじんできた。
なんでこんなに安心するんだろう。
「え、ちょっと、どうしたの？どっか痛い？具合悪いの？」
「ううん…なんかホームシック、なのかな」
「そっか…」
圭人くんは不意にコンビニ袋を地面に置くと両手を広げた。
「ん？」
「へ？」
「いや、だから、それ何？」
「それって？」
「その腕」
「…『おいで』って意味だったんだけど？」
「…」
「あ、Aちゃんの顔まっか」
「うるさい」
「へへ、圭人に照れてる？」
「ちが」
「うれしい」
らしくない。
甘えるのは苦手なのに。
圭人くんに言われるまま腕の中に吸い込まれた。
「大丈夫大丈夫、圭人がいるよ」
「ん」
見上げた空、
涙でにじんだ星が綺麗に光った。
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作者名：もぶ | 作成日時：2018年4月8日 15時
