intrigue ページ25
※伊野尾担注意※
昼休み。
同僚がイヤホンをしてスマホで動画を見てる所を思いっきり肘で押した。
「ニヤニヤしてる、気持ち悪い」
「だってさー面白いんだもん！Aも見てみなよ！！」
画面には深夜に放送されている彼らの冠番組。
同僚は家のHDDに録画した番組を外出先で見れるらしい。
何そのネットワークHDD！
私は番組の内容よりも同僚が使ってるHDDの方が気になったんですけど！
私も録り溜めたドラマを外出先で見たいよ！！！
「可愛いよねー」
「ああ、うん、そうだねー」
「え、Aってアイドルに興味ないと思ってた！誰が好きなの？」
「有岡くん？この子。親戚の子が好きなの。だから他のメンバーはよく知らないんだけどね」
口からぺらぺらと出てくる嘘もそれっぽく言うと本当のことに聞こえてくるから不思議。
「ふーん」
ぴこん
『定時ダッシュ！！！』
同僚の画面の中で奮闘している噂の彼から可愛らしいメッセージが届いてニヤけた口元を隠した。
.
.
「A、急遽なんだけど明日…」
「えーまた人数合わせ？てゆか私もう彼氏いるしそういう所は…」
「ちょちょちょちょこーっと来て」
辿りついたのはパーティションで区切られたブリーフィングスペース。
いつになく真剣な顔で私と向かい合う。
「明日大ちゃん来るよ」
「は？」
大ちゃん？って大貴のこと？
「私の友達がいのちゃんと大学同期で面識があって」
「はあああ？」
「だから連絡取ってもらったの。明日ならなんとか都合つきそうってついさっき連絡が入って。ねぇ芸能人と飲み会なんてそうそうないよ！！行こうよ！彼氏いたってちょっと余所見するくらい許してくれるって！ね？」
「なんで私？」
「昨日大ちゃん可愛いって言ってたよね？」
「探せば私の他にもファンはいるんじゃない？」
そこまで大きくない会社だけど女の子の数は多いし、あからさまなのはいないけど隠れオタクはいそうだし。
「あんまり強火でも向こうが困っちゃうかなって。でも全く知らないのも失礼だし」
私、大貴と初対面の時おもいっきり"知らない"って言っちゃったんですけどね。
てか昨日、
『しばらくまたロケ続きで会えなさそう…お土産たくさん買ってくるね』そう言ってたのに明日飲み会には行くの？
おかしくない？
「…それ ほんとに大貴来るの？」
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作者名：もぶ | 作成日時：2016年11月22日 21時
