Happy Unanniversary ページ24
「ごめんね、そんな近くにいると思ってなくて勢いよく開けちゃった」
「いいのいいの！全然！平気！…れ？今日は？どうしたの？」
平常心平常心。
ちょっとびっくりしただけ。
Aが合鍵使ってくれることってあんまりないから。
俺が部屋にいる時ならがちゃって入ってくるんだけど。
でも口元はどうしても喜びを隠しきれないよね。
「私明日おやすみだから。…来ちゃった！」
仕事きついなって思っても行きたくないなとかは思わないのに。
明日ロケなのがうんざりしてきた。
俺ってこんなんだっけ？
いつも泊まる時とは違う大きめのバッグを持ちこんでるA。
思わずバッグ見つめてると何やらテキパキと準備を始めた。
「お客さん！今日はどんな気分？」
「(お客さん？)っとー…そうだな、うきうきな感じ」
「何かいい事あったの？」
「んー、まぁね」
「おっけ！まかせて！」
キッチンに移動したAの様子を後ろからそっと見つめる。
料理？じゃなさそう。
バーで見たことある長い棒を使って器用にクルクルと……あ。お酒を作ってくれてる？
「うきうきなお客さんには、こんなのどうでしょうか」
ロンググラスの中に綺麗に澄んだ青色。
さわやかな印象のカクテルが出てきた。
Aの綺麗な微笑み付きで。
「すっっっっげー！！！！！なに？！Aカクテル作れんの？！」
「へへーっ！ちょっとだけね」
そう言いながらちょっと得意げな顔が可愛い。
ありがたく受け取ってまじまじとグラスを見つめる。
「すっげ綺麗だね」
「綺麗なカクテル作りたくて、あいつに教えてもらったの」
「店行ってるの？」
軽く頷くAにささくれ立つ心。
「今日ね、大貴に作りたかったから。練習したけど実際に飲んでもらうの初めてだから もしかしたら美味しくないかも」
見つめ合った瞳に吸い込まれそうになった。
えーじくんとこ行く時間あるなら俺に連絡してよ！とか柄にもない。
でもそれも全部コミコミで一気に青色を飲み干した。
「え？大ちゃん？！」
「おかわり！」
俺のことちゃんと想ってくれてたんだよね。
だからわざわざ習って来てくれたんだよね。
じゃあ俺はそれを受け取るだけ。
あの歌なんだっけ、会えない時間が愛を育てんだよ！
ざまぁみろ山田！
会いに行くことばっかり考えてた俺にAが来てくれたことは強烈に嬉しくて。
青に溺れた。
2017.05.15
大ちゃん不足故に走り書きしたオチのない稚拙文…
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作者名：もぶ | 作成日時：2016年11月22日 21時
