Happy Unanniversary ページ23
そろそろね、もうそろそろ会いたいな。
少しでもいいの。
私のこと思い出してー！って頭のどこかで警笛が聞こえる。それくらい会えてない。
たしか前に会ったのが大ちゃんの誕生日の頃でお祝いして…
それからなんだかんだやっぱり時間が合わなくて会えなくて。
あれ？えっと？ん？
「げ。まじか」
オレンジの大ちゃん手帳をのぞき込む。
.
.
「元気ないじゃないのよ」
「ん？そんなことないわよ」
「わぁかった。Aちゃんに会えてないんでしょ」
こんなとこで勘の良さ発揮してんじゃねーよ。
山田の伸びすぎるほっぺを引っ張った。
会えるんだよ。会えるの。全然。
飛んでくし。
でも、それじゃ意味無いんだよね。
Aから要求して欲しいの。
大ちゃんが欲しい！大ちゃん不足！大ちゃんもっとちょーだい！って言わせたいの。
だけど…
Aがこんなに手強いとは思わなかったな。
連絡はね、してるんだよね。
だけど一向に『会いたい』コールがかからない。
俺なんて電話して声聞いたらつい"会いたい"って思っちゃうのに。
恥ずかしそうに だけどそれを俺に悟られないように頑張ってる"愛してる"を聞くと抱きしめたくてしょーがないのに！
まぁ、全部俺が悪いんだろうね。
あんな始まり方をしちゃって ずるずる続けてきたから。
「って。話全然聞いてないんですけどー」
「んん？」
「もうなんでもいいから意地張らずに会ってこいよ。大ちゃんって変なとこ意地っ張りだよな」
"会いたい"ただその一言が欲しい。
そんなことを思う俺ってワガママ？
そんな日に限ってなかなか上手く進まない撮影。
明日ロケだっけ？そうだそうだ帰りになんか話してて。
ぼーっとしてるつもりないのに、会話のところどころがぽろっと抜けてる。
グループの方にLINE入れてみよ。
誰か答えてくれるかもしれない。
ガチャっ…
「あ、大貴おかえりー！」
ガチャっ…
んん？あれ？A？
びっくりしてドア閉めちゃった。
「大貴ー？」
中からAがドアを開けてくれたおかげで頭にごちんとドアが突き刺さった。
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作者名：もぶ | 作成日時：2016年11月22日 21時
