AAAには愛されている女の子がおりまして Ⅲ (ページ49)

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次の日、私は重い足取りでスタジオに向かった。

いつもと同じ時間。

だから、来ても誰もいなかった。

今日は、踊らないで待っていよう。

そう思って、スタジオの端に座って音楽を聴いて待っていた。

｢…きろ。おい。｣

｢おい！｣

A｢っ、はい！｣

いつの間にか寝てしまっていた。

イヤホンが片方抜かれていて、そっちから誰かに起こされた。

見ると、末吉くんがいた。

A｢末吉くん…。｣

まだ、末吉くんだけやな…。

末｢…お、おはよう。｣

A｢えっ？……あ、おはよう。｣

え、それを言うために起こした…？

んなわけないよな、うん。

末｢あの……昨日は、ごめん。｣

末吉くんは、そう言って頭を下げた。

A｢えっ、いや、あの…。｣

それに驚いた私は、慌ててセリフを噛みまくった。

末｢あれは、その…。｣

モゴモゴと口を動かしている。

末｢また倒れられたら…心配で、
練習どころじゃないってことで…。
…お前が、邪魔だとか、そう言いたいわけじゃなくて…。
頑張りすぎて、それで猫田が倒れたら、
みんなで協力していけないだろって、思ったからで…。｣

それは、私には意外すぎる光景だった。

クールで、ちょっと怖そうな末吉くんが、

下を向いてモゴモゴと喋っている。

末｢…俺は、絶対お前のこといらないなんて思わない。
俺にも、グループにも、お前が必要だと思ってる。｣

“お前が必要だと思ってる”。

それは、私がずっと聞きたかった言葉だった。

A｢…。｣

末｢…えっ、どうした？｣

A｢いや、なんか…なんでやろ…(泣)｣

嬉しかった。

嬉しくて、涙が溢れた。

末｢えっ、俺悪いこと言った？今…。
ごめん、えっ…。｣

宇｢おはよー……え？｣

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