弐佰漆拾肆 弟のような ページ36
「…いいよ。なんでも信じるよ。生きてきた世界が違うなら、家族なんていないんでしょ?奇遇だね、僕も居ないから。僕たちふたりで家族になれるよ。」
「ははっ、なにそれ。じゃあ無一郎私の弟ね。」
「じゃあAは泣き虫姉さん。」
「うるさいっ、生意気!」
じゃれながら、“色”のことも話すことが出来た。
苦しかったものが少し、楽になったような気がした。
話しながら獪岳が頭に浮かんだ。
無一郎に言ったこと、獪岳にも話そう。
だって彼は、私のお兄ちゃんみたいな存在なんだから。
叶うなら知っていてほしい。
「無一郎、布団ここでいい〜?」
「うん。」
すっかり仲良しになって、なんだかホントの弟のように思えた。
いろいろ話したんよ。無一郎のこともチラッと聞いた。
どうやら人が当たり前にできる記憶の保持が出来ないらしい。
『ふーん…私のことは忘れないでね。』
『いや、だから』
『家族なんでしょ?家族なんだから、覚えててよ?』
『…うん。』
そう話した時の無一郎は嬉しそうに微笑んでて可愛かった。
『Aは泣き虫だから忘れられたら泣いちゃうもんね。』
『うるせぇ。』
一言余計だったけど。
「無一郎寝た?」
「起きてる。」
「私明日出るから早く起きてね。」
「どこ行くの。」
「私たち鬼殺隊だよ〜?
鬼のいる所に決まってんじゃん。」
「怪我しないようにね。」
「うん。おやすみ。」
「おやすみ。」
弟のような可愛い子が出来た今日は記念日だなぁ、なんて考えながら眠った。
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ぽっポ(プロフ) - 私と誕生日一緒やん!!って読み始めました。面白いです。高評価連打しました (2021年4月5日 12時) (レス) id: ebe020dac0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今日、初めて読んだのですが面白すぎて一気に全部読んでしまいました!!更新待ってます!! (2021年2月23日 11時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
TC - すっごく面白いです!ハマってしまい、ブックマークして永久保存しようという思考に至りました← 更新楽しみにしています!! (2021年1月30日 14時) (レス) id: 99f73cd1ff (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 更新、楽しみにしてますね。焦らずゆっくり頑張ってください (2021年1月21日 6時) (レス) id: 8111d7e6d3 (このIDを非表示/違反報告)
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