弐佰伍拾 いよいよ ページ12
「真宮お前は今自分が何をしたのか分かっているのか。」
「なんのことですか?伊黒さん。」
「まさか気づいてないわけじゃないよね。」
「なぁに、無一郎くん。この箱の中に居るのが鬼だってこと?
もちろん分かってるよ。
違うね、分かってるんじゃない、知ってたの。
知ってて庇ってる。
何故ここに鬼を連れた隊士である癸・竈門炭治郎と、この箱の中の鬼がここへ、拘束さているとはいえ、連れてこられた訳を考えなかったんですか?
お館様がこのことをご存知ない、と?
知らないわけない、とは思わないんですか。
竈門も鬼殺隊のひとり。選別へ行くまでの間に修行をしたはず。
それは独学?それとも育手の師匠がいたの?」
私がそう問えば、炭治郎くんは戸惑いながらも「居る…。」と小さく告げる。
うん、知ってる。鱗滝さんだよね。義勇さんと同じ師だ。
「なら、その育手が、この鬼の子の存在を知らないと思いますか。
彼の師は、元水柱・鱗滝左近次さんです。
元とはいえ、柱。鬼の気配に気づかないわけが無い。
そして…お館様に報告していないわけがないんです。
なぜお館様は今日までの間、何も言わなかったのか。
それはつまり、容認なさっているということでは?
たとえ私のこの憶測が違ったとして。
お館様に連れてこいと言われて、この2名は連れてこられた。
その事実に変わりはない。
お館様が来る前に、それを存外に扱っていいのか。
ここに居る誰もが、鬼に少なからずの怒りを覚え、感じていることでしょう。
でも、1度落ち着いてください。
お館様が来るまで、誰ひとりとして、この2人を傷つけないでください。
模擬戦で私の実力は少なからず見たでしょう。
私今、この場にいる誰にも負ける気なんてしないから。」
静かにその場にいる全員を見据える。
言いたいこと、こんなにハッキリ言ったの初めて。
スッキリしてる。そして覚悟もしてる。
この場にいる柱全員に軽蔑されること。
怒りを買うこと。
全てを覚悟して言った。
人知れず、私は私に誓ったことがある。
もう、自分の気持ちを無かったものにしない、と。
気付かないふりはしない、と。そう決めた。
自分らしくいよう。
「お館様のお成りです。」
いよいよ、裁判が始まる。
1021人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽっポ(プロフ) - 私と誕生日一緒やん!!って読み始めました。面白いです。高評価連打しました (2021年4月5日 12時) (レス) id: ebe020dac0 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 今日、初めて読んだのですが面白すぎて一気に全部読んでしまいました!!更新待ってます!! (2021年2月23日 11時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
TC - すっごく面白いです!ハマってしまい、ブックマークして永久保存しようという思考に至りました← 更新楽しみにしています!! (2021年1月30日 14時) (レス) id: 99f73cd1ff (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 更新、楽しみにしてますね。焦らずゆっくり頑張ってください (2021年1月21日 6時) (レス) id: 8111d7e6d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ