令和から来た私だけど、まぁとりあえず鬼殺隊には入るよね 弐

漆拾伍　玉鋼 ページ35

前回のあらすじ。

玄弥くんが私の胸ぐら掴みました。

そして炭治郎くんが玄弥くんの骨折りました。

うん、なにごと？




「お話は済みましたか？
では、あちらから刀を造る鋼を選んで下さいませ。」




え、お話に見えました？

これ普通に暴力沙汰でしたが、お話してるように見えました？

とか考えてたら玉鋼とうじょーう。




「鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼はご自身で選ぶのです。」


「どれにしようかな………。」




たくさん並ぶ似たような玉鋼。

でも玉鋼から見える色は様々だ。

赤、青、黄、橙、緑、色はもちろん、明度や彩度も違う。

その中で、一際きれいに輝いている白い玉鋼があった。

正直、白が眩しすぎて玉鋼その物がよく見えない。

決めた、この白(神聖)にしよう。

すぐさま隊服は支給された。

帰ったら着てみようかな………………。

どんなのだろう、普通のがいいな。

鎹鴉を連れ、炭治郎くんと山を降りること無くその場で別れた。

「もう少し藤の花を見てから行くね、すっごい綺麗だから。」と言うと、「そうか。」と彼はとても疲れた顔をして笑った。

そして手を振って別れた。また会おうと約束をした。

それでまぁ、藤の花を見たいのもあったんだけど…。




「善逸くん。」




1番の目的は、彼に話しかけるため。

置いてったからね、私。ホントに申し訳ない。




「Aちゃん……………。」




あ、やばい、この感じ知ってる。

炭治郎くんのやつだ、あの子のと同じだ。

あの時あの子の色ちゃんと見てなかったけど多分、赤(怒り)と紫(心配)だったんじゃないかな。

だって今、善逸くんがその色してるもん。

ねぇ待って、赤の主張強くね？

怖いよ、赤の主張が凄いよ、怖い、落ち着いて善逸くん。




「怪我してない！！良かった！！
けど俺めちゃくちゃ心配したんだからね！！」


「あ、うん、ごめんね。」


「あの後、Aちゃんの音聴こうと思って頑張ったけど、ぜんっぜん！！聴こえないし！！
鬼の音ばっかりだし！！
めっちゃ鬼に会うし！！
気づいたら鬼死んでるし！！」




うん、それは貴方が気絶しながら倒してるんだよ。

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