令和から来た私だけど、まぁとりあえず鬼殺隊には入るよね 弐

陸拾参　頭おかしい ページ23

玄弥side


「げっ、ちがっ…ねぇ！もう1人！斬って！」


「チッ」




俺はそう言われて鬼の首を斬った。

思わず舌打ちが出たのは、俺が苦戦していたあの鬼をいとも容易く斬ってしまったその実力と、あまりにも鬼を斬る瞬間が綺麗で、無駄がなかったから。

俺には足りないことが綺麗に出来ていたから。

見蕩れてしまったから。




「おい！！」


「ん！？なに！？どしたの！？」


「どうしたじゃねぇよ！！
俺は助けてくれなんて言ってねぇ！！」


「え、いや、まぁたしかに言われてないけど…。
あの子に貴方のこと助けてあげてって言われちゃったし…。」


「はぁ！？誰だよ！！」


「あ！いや！やっぱ今のなし！！
誰にも言われてない！私がたまたま来て助けただけ！うん！
貴方のプライド、じゃない、ちがう、自尊心！
自尊心を傷つけたんならごめん！！
でもこれだけは言わせて！？」


「なんだよ！！」




散々言いたいことを言ったはずだろうに、女はまだ何か言いたいことがあるらしい。

もうそんなのどうでもいいから、早く去ろうとした。




「はぁ！！？なんだ！！離せ！！」




が、女は突如俺の両手を握りしめた。




「うるさい聞け！！
貴方は絶対！この最終選別に受かるから！
だから、そんなこと絶対ないと思うけど！
諦めないで！きっと受かって会いたい人にも会えるはずだから！頑張って！」


「は、はぁ！？」


「はい！それじゃ！
また縁があったら選別中に！なかったら選別後に会おう！じゃあね！」


「お、おい！！待てよ！！」




そう言うと女は俺の手を離して、走り去って行った。

意味わかんねぇヤツ。

だいたい、なんで手握ってくんだ、頭おかしいんじゃねぇか？




「…くそっ！意味わかんねぇ！！」




なんだか、顔が熱(赤)い。

ほんとに、意味わかんねぇ、頭おかしいだろ。

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