令和から来た私だけど、まぁとりあえず鬼殺隊には入るよね 弐

肆拾肆　お願いだから ページ3

善逸side


「うるっせんだよ！！！さっさと降りてこい！！！」




はあ！！？お前のせいであの子の声の余韻から引き戻されたわふざけんな！！！




「ふざっけんな！！！誰がお前の言うことなんか聞くか！！！ばーかばーか！！！
いやぁあぁああああああああああああああぁぁ！！！
揺らさないで！！！木を！！！揺らさないで！！！
やめてええええ！！！」




揺らすな！！！落ちるだろ！！！やめろよ！！！

ってかなに！！？なんであの子逃げないの！！？

早く逃げて！！！俺じゃあ守れないんだよ！！！




「女……？」




きづかれたぁあぁあああぁぁああぁあ！！！！




「おいおいおいおい、そんなとこに女がいたのかよ、だったらお前はあとでいいや。
お前から喰ってやる、女！」




嘘でしょ！！？嘘すぎない！！？




「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"！！！
気づかれちゃったよぉおおおぉお！！！」


「声でかい……。」


「ごめんね！！？でも今そんなこと言ってる場合じゃないと思うよ！！？」




確かにうるさかったかもしれないけど！！！

それどころじゃ！！！ない！！！

やっぱり声かわいい！！！顔もかわいい！！！そして綺麗！！！

こんな綺麗でかわいい女の子が喰われていいわけないじゃん！！！




「ぎゃあああああああああああ！！！
逃げて！！！俺弱いから君のこと守れないんだよおおおお！！！
逃げてえええええ！！！」




我ながら情けないと思う。

男のくせにビービーギャーギャー泣き喚いて。

でも仕方なくない？俺弱いしさ。

君のこと守れないんだよ、木から降りて戦う勇気なんて俺には微塵もないわけ。

だからお願いだから、君は逃げて。




「雨の呼吸、弐の型、小糠雨(こぬかあめ)。」




刹那、小さく凛と、その声は俺の脳内で響いた。

感謝→←肆拾参　風鈴のように綺麗

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す