閑話3 ページ45
「にょろ…。」
会計をしている間、鏑丸には外で持っていてもらった。
買った物を懐に納め、鏑丸を探せば、近くの木陰に居たのが見えた。
しかもその傍に子供もいた。
「なんだお前は。」
もしや鏑丸に手を挙げているのではと思い、慌てて近づけばそうでは無かったらしい。
鏑丸も警戒している様子は無いが、蛇を怖がらない子供というのはそれだけで少し異質な気もする。
「…う？」
真っ赤な双眸が俺を見る。
なんだか落ち着かない。そもそも子供は好きじゃない。
「めめ…。」
下から覗いて来た子供に舌打ちしそうになった。
両目の色が違えば恐れて逃げるだろう。舌打ちするまでもない。
そう思った。
「めめ、きらきらっ！」
予想に反して、子供は己の目を輝かせて笑った。
鏑丸が子供の手元に行き、撫でさせているのを見て、俺は子供の前にしゃがんだ。
「お前、名前は？」
「A！」
「自分の名前は言えるか。親はどこだ？」
「う？お…？」
しっかり喋れる様子はない。まだ言葉を解さない程の子供か。
「お前の様な小さい子供を放っておくなんて、どんな親か見てみたいものだ。人攫いも居るというのに無防備にも程があるね。お前もお前で」
「うっ！」
そう言って、鏑丸と俺を指さす子供…A。
「なんだ。」
「A…にょろ、うっ！」
自分を指さし、名前を言う。
次に鏑丸、俺、順に指を指していった。
「なぁ、あえ！んぅ…なぁ、まっえ！」
「名前が知りたいのか？」
「あいっ！」
「そうか。このにょろにょろは鏑丸だ。」
「かぶ…？」
「そうだ、鏑丸。」
「かぶーっ！」
「俺は、伊黒小芭内だ。わかるか？」
「い…ば、んぬぅ。」
「ふっ…小芭内だ。言えるか？」
「お、っば…ない？ないない！」
「ないない、か。」
「ないないくっ！」
「あぁ。」
「Aっ！かぶっ！ないないくっ！」
「あぁ、そうだ。ちゃんと言えたな。Aは賢いね。」
そうして慣れぬ手つきで撫でれば、くふくふ嬉しそうに笑うA。
その後すぐに大慌ての宇髄がAの名を叫びながら走ってきた。
そうして宇髄が礼を言って連れ帰ろうとすると。
「ないないくっ、かぶっ…やっ！」
どうやら離れたくない、という意味らしく…往来でポロポロと涙を流されたのは宇髄共々焦ったものだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
伊黒小芭内とはじめまして。
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廣岡唯 - ウホウホうおぉ好きぁ (4月16日 11時) (
レス) @page1 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 親の制限でなかなか来れないですが開くたび楽しみにしてます!!このお話めっちゃ好きなので頑張って下さい！！ (12月26日 8時) (レス) @page16 id: 5fbc771ab4 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - うわすきなにこれ好き（語彙力どこぞへ） (12月22日 17時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
kakarika(プロフ) - うおぉ・・・凄い楽しみです！！ (12月5日 19時) (レス) @page5 id: 833a0352da (このIDを非表示/違反報告)
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