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13歳になった。歳をとっても変わらず、私は日々鬼を斬っていた。
ある日の帰り道。
「あっ。」
「Aか。」
「ないくんだぁ。」
蛇柱、伊黒小芭内に出会った。
幼少期、“おばない”と言えなかった私は、彼を“ないないくん”と呼び、少し成長してから“ないくん”と呼ぶようになった。
尚、小芭内くんと呼ぶつもりは無い。
だって、ないくんって呼びやすいんだもん。
「任務帰り?お疲れ様ぁ。」
「あぁ。お前も、任務帰りか。」
「そうだよぉ。」
そうして帰路を共にたどる。
「お世話になった藤の花の屋敷がね、旅館でね、お料理すごぉく、すごぉく美味しくって。
温泉もすごぉく、すごぉく気持ち良かったんだよぉ。」
「相変わらずお前はよく喋るね。」
「うるさかったぁ?」
パパ曰く。
「いや、お前が楽しいなら俺も楽しいがね。声量には気をつけた方がいい。まだ早朝だからね。」
蜜璃ちゃんに対応する並に、私に甘いらしい。
「うん、わかったぁ。」
他の柱の人たちとは違って大柄じゃなく、近い目線で話せる数少ない人だ。
「宇髄から聞いているか?新しい柱の話。」
「うん、聞いてるよぉ。刀を持って数ヶ月で柱にまでなっちゃったって。
すごいねぇ、憧れちゃうねぇ。」
柱をひとつの目標としていた私から見れば、それは羨ましいことである。いま柱になっても、前任が死んだということだから、嬉しくは無いけど。
そして、その速さの昇進が物語っている。彼はとんでもない剣技の才の持ち主だ、と。
「お前も、ソイツぐらいには剣の才があるがね。なにせ炎の呼吸は煉獄だからな。
下の奴らの才が恵まれない中、お前は若いのによくやっている。お前の実力は柱に匹敵する。
胸を張れ。」
「…んふふっ、ありがとう、ないくん。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
優しく温かい言葉にたくさん救われてきた。
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廣岡唯 - ウホウホうおぉ好きぁ (4月16日 11時) (レス) @page1 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 親の制限でなかなか来れないですが開くたび楽しみにしてます!!このお話めっちゃ好きなので頑張って下さい!! (12月26日 8時) (レス) @page16 id: 5fbc771ab4 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - うわすきなにこれ好き(語彙力どこぞへ) (12月22日 17時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
kakarika(プロフ) - うおぉ・・・凄い楽しみです!! (12月5日 19時) (レス) @page5 id: 833a0352da (このIDを非表示/違反報告)
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