検索窓
今日:128 hit、昨日:275 hit、合計:14,266 hit

13 ページ13

ふと。あれが鬼の始祖である鬼舞辻無惨で、あれが私たちの悲願の元なんだと思うと、なんだか不思議な気持ちになった。
父と母は、私に笑いかけたことはなかった。
産んだらお金が必要になるから、邪魔になったのかもしれない。
そんな私に初めて笑ってくれたのは、鬼舞辻無惨(あの男)だった。

鬼殺隊の隊士である私が、こんな風に思うのはおかしい事で、ダメなことなんだろうと分かってはいるけれど。
鬼狩りと鬼ということを忘れて、1度だけでいいから、対等に話してみたいと思った。
まぁ、無理だろうけど。

家に挨拶をしたあと。渡辺さんがどれ位で戻るか分からなかったので、足早にその場を離れて、藤の花の屋敷に行った。
僅差で私の方が先に着いて、ほっと一息ついた。




「本日は、他の鬼狩り様もいらっしゃいますよ。」

「ほかの…お名前わかりますか?」

「いえ…あっ、でも。お連れになっている鎹鴉が、鬼狩り様のことを“ぎゆう”と呼んでらっしゃいました。」

「ありがとうございます。挨拶してきます。」




屋敷の方に彼の居る部屋を教えてもらって、伺った。




「ご挨拶に伺いました。お時間少々よろしいでしょうか。」

「あぁ。」

「失礼します。」




彼を見た第一印象は、たしかに、水の呼吸の使い手にピッタリの人だな、と思った。
そして同時にパパの言葉を思い出した。

『冨岡は派手に地味だ!』

正直なにを言われてるのか分からなかった。
派手に地味って矛盾してる。
でも…なんとなく、こう…派手に地味だ。
向かい側に座っても何を言うわけでもなく、ただじっと見つめてくる。

全然喋らないって言ってたなぁ。




「宇髄天元の娘の宇髄Aと申します。
父から冨岡さんのことは聞いてます。よろしくお願いします。」




にこりと笑って頭を下げた。
彼が笑いかけることはなく、ただ一言。この部屋に入ってくる時と同じように「あぁ。」と言った。

パパ。そして杏くん。人と仲良くなるにはどうすればいいのでしょうか。




「あの…。」

「なんだ。」

「差し支えなければ、お夕食を一緒にどうでしょうか。」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

1人で食べるより美味しくて、話すきっかけになるかもしれない。

14→←12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼滅 , 皐月歩
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

廣岡唯 - ウホウホうおぉ好きぁ (4月16日 11時) (レス) @page1 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 親の制限でなかなか来れないですが開くたび楽しみにしてます!!このお話めっちゃ好きなので頑張って下さい!! (12月26日 8時) (レス) @page16 id: 5fbc771ab4 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - うわすきなにこれ好き(語彙力どこぞへ) (12月22日 17時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
kakarika(プロフ) - うおぉ・・・凄い楽しみです!! (12月5日 19時) (レス) @page5 id: 833a0352da (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:皐月 歩 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月5日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。